［７−３］ ページ3
渡辺side
「……あれ、なんだこれ」
無事、収録を終えて楽屋へ戻ると
出ていく前にはなかったものが
テーブルに置かれていた。
近づいて見れば美術スタッフさん達が
よく使っているメジャー。
どうしてこんな所に？
なんて考えてみるけれど
生憎、どうして？ なんてもう慣れっこだ。
これもどうせ嫌がらせの1つなんだろうなぁ、と
どこか他人事のように
思い浮かべてそれを手に取った。
そして美術部のスタッフさんへ渡すために
入ったばかりの楽屋を出る。
「あっ、渡辺くん！」
「っ？」
「久しぶりですね」
「あ……戸日野さん」
廊下を出て、エレベーターを待っていた時、
後ろから声をかけられて振り向けば戸日野さんの姿。
少し前から避けるようにし始めて、この頃
戸日野さんは俺の願い通り取り組んでいた企画が
大きなものへと動いているらしい。
直接会って言っていなかったけれど
本心じゃ良かったの一言だ。
もしあのまま俺の問題に付き合わせていたら
こんな光栄なことがなかったかもしれない。
「なんかトラブルっすか？」
パタパタと走ってこちらへ来た戸日野さんは
既に息が上がっていて、自然と疑問を口に出した。
すると変わらず困ったような笑顔を浮かべて、
「実はね」と世間話のように話してくれる。
「うちのスタッフの道具が無くなったみたいで。
だから空いてた俺が代わりに取り行こうかなって」
「道具ですか」
「うん。って言ってもただのメジャーなんだけど」
「え……メジャー？」
「そう。困りましたよ。
一応置いてあったスタジオの予備も無くて」
どくりと心臓が音を立てて、
冷や汗が吹き出した。
それから俺はチラリと辺りを見渡して、
「戸日野さん」と服の裾を掴んだ。
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つらら(プロフ) - 春さん» 春さん、コメントありがとうございます！ もう嬉しいお言葉に胸いっぱいです！笑 今はこの作品を完結させることを優先しているのでお時間頂きますが、春さんのお言葉に公開しようかなと甘えて思い始めました！ その時はこの作品共々是非よろしくお願いします！ (2021年3月17日 23時) (
レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
つらら(プロフ) - 青草さん» 青草さん、コメントありがとうございます！ そう言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです！ この先の展開もなかなか都合よくいかない地獄ですが、どうぞよろしくお願いします！笑 (2021年3月17日 23時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
春 - このお話大好きです！いつもドキドキしながら読ませて頂いてます！公開未定の作品があるとのことなのですが、もし主様に少しでも公開したいという気持ちがあればぜひ公開してほしいです！主様の作品どれも大好きなので！！次の更新も楽しみにしてます！ (2021年3月15日 8時) (レス) id: dff8a5af6c (このIDを非表示/違反報告)
青草 - 本当にこのシリーズのお話面白いです！10のシリーズは展開でえぇ！？となりました 次の更新楽しみに待ってますね！ (2021年3月10日 17時) (レス) id: 8f7d50177b (このIDを非表示/違反報告)
つらら(プロフ) - 紫夏さん» 紫夏さん、コメントありがとうございます！ 紫夏さんの予想を裏切る形で驚かすことが出来て良かったです！笑 そして身に余るお言葉ありがとうございます。もっと楽しんで頂けるよう頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2021年3月9日 9時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つらら
| 作成日時：2021年2月21日 1時
