憧れ、じゃなくて好き。【赤葦京治】 (ページ12)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:6,888 hit

好き。12 ページ12

いつも通りの登校路を歩いて大学へ行った。

すると、教室にはもう既にほぼ全員いた。

私は窓際の一番後ろなので、こっそりと自分の席へ向かった。

京治とは違うクラスで、大学に入った頃は寂しかったけど今は助けられた感じ。

「ねぇ！A！」

A「何？」

「昨日、赤葦が他の女子と帰ってたって！」

前の席の友達が、昨日帰るときに赤葦と夏目さんを見かけたと言った。

忘れようとしてるけど、忘れられない。

それを聞いただけで、胸が苦しくなる。

A「知ってるよ。」

「止めないの！？アンタ、赤葦の彼女でしょ！」

A「だってさ、その女子は京治と結婚するんだよ？」

友達は間抜けな声をだして、目を丸くした。

私は窓の外の空を見た。

ふと、溜め息混じりに呟きが溢れ出た。

A「諦め、ようかな...。」

地位もお金も力も敵わない。

きっと、京治もそんな女性が幸せな家庭を築けそうだ。

あれっ、私なんでこんな弱気なんだろうっ...。

京治の幸せは私の幸せ。

京治がそれで幸せなら私はその幸せを願うよ。

でも、やっぱり胸が痛いやっ...。