#18 本当の友情ごっこ ページ18
ー貴方 sideー
初めての友達ができた
これを言ったらなんだけど
人生で、初めての友達
shp「おはようA」
彼は断りもせず
俺の隣に座って朝食を摂る
そうか、友達って
こういうものなのか
ri「……?」
隣に座っていた兄のリンドウは状況が読めず
口に入れたはずのスープが
なぜか口から流れている
汚いなあ
shp「今日何時なら空いとる?」
『別に、何時でも』
shp「なんで?」
『なんもないから』
するとショッピはニヤリと笑い
俺の顔を覗き込んだ
shp「じゃあ今日丸一日、A予約していい?」
『……え?』
shp「銃、教えてくれるって約束やろ?」
"約束"という言葉に
胸がときめくのを感じる
ダメなのに、ダメなのに
こんなこと、思っちゃダメなのに
素直に、素直に
『……うん。約束、だね』
めちゃくちゃ嬉しくて
自然と笑みがこぼれた
『……。』
友達、友達、友達
裏切るその時がくるまで
もう少しだけ、楽しんでも良いだろうか
願うばかりの夢を見続けるのだろう
叶うはずのない夢を
目を覚まさなければならないその時まで
shp「何が得意なん?」
『よく、わかんない。全部?』
shp「はーうざ。自慢かよ」
こんなくだらない会話でさえ
終わってしまうと考えると
胸が苦しくなる
上手く、笑えなくなる
shp「A?」
『ショッピくんは、』
この気持ちを言葉にできなくて
なんでもないと、無かったことにした
なんでもないが
どろどろと溶けだして
これが嘘というものなのだと
自覚する
お友達、かあ
ri「……。」
―――
ーリンドウ sideー
Aに初めての友達が出来たらしい
兄として祝福すべきだが
これが嘘なのか本当なのか
分からなかった
情報を抜き出すためのカモとして、なのか
純粋に惹かれあって友人関係に……なのか
正しいのか悪いのかも分からない
ただ
柔らかなAの笑顔
ri「……A、あんまり…」
『分かってるよ』
冷たく突き放す口調に
なんとなく、見当がつく
彼は分かっていた
分かっていたけれど
『行こう、ショッピ』
裏切るその時がくるまで
本当の友人ごっこを続けるつもりだ
拳をぎゅっと握りしめた
gr「どうした、リンドウ」
ri「ショッピとAが仲良くなったみたいで、嬉しくて」
gr「"泣くほどか?"」
泣くほどだよ、バカヤロー
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ロト - めっちゃタイプの感じです!!!更新待ってます (11月5日 17時) (レス) @page20 id: 36a3bdf1ac (このIDを非表示/違反報告)
りおん(プロフ) - 男主なのに感情描写が繊細で、結構…自分だったらどうかなって考えちゃって。胸がいっぱいになるような作品で一目惚れです…供給ありがとうございます……。 (10月26日 8時) (レス) @page20 id: b7dec916ad (このIDを非表示/違反報告)
はなまるさんかく(プロフ) - ぽさん» ぽさん、コメントありがとうございます。注目ポイントをピンポイントで突かれて驚いております。ぜひぜひご期待頂ければ!更新、励んでいきます😌🙏 (10月22日 17時) (レス) id: 6d68557c5e (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - この物語からは儚さを感じます…、今は夢主さんの気持ちが深海のようにミステリアスで、闇を抱えているような感じですが、…ここからどう心情が変化するか見どころですね。更新頑張ってください、お身体に気をつけて。 (10月22日 16時) (レス) @page17 id: cb2f978ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はなまるさんかく | 作成日時:2023年10月21日 20時