#14 油断大敵 ページ14
ー貴方sideー
夜
言われた通り、ゾムさんの部屋の戸をノックする
zm｢……誰や｣
『Aです』
ｶﾞﾁｬ
不敵な笑みのゾムさんに、思わず背筋が凍った
とはいえ、特にそのような心当たりはない
『……何か？』
zm｢中入ってや。多分あんたにとって……知られたくないことやし｣
……嫌な予感がする
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zm｢……お前、スパイやろ｣
やっぱりか
しかし、もしかしたら当てずっぽうなのかもしれない
その可能性もある。平常心でいかなくては
『何故？』
それに……こんなとこでバレる訳にはいかないし
兄貴の足を引っ張って、たまるものか
zm｢あの動きは余程の経験者じゃないと無理。でもお前は我々国の住人でも、元我々国軍人でもあらへんやろ？それでロボロに調べさせてん。アンタのこと｣
あまり刺激しないよう、ゆっくりと自分の服の裾を掴む
特に意味は無い
攻撃する意味もないから
心理的に言うと人は柔らかいものに触れると、緊張が和らぐらしい
zm｢A国……やったな。アンタの出身国｣
『A国が何か』
あんた……と今は言っているが
後々仲が良いという理由で兄に疑いが行く可能性も、大いに有りうる
とりあえず、足は引っ張らないように
『確かに俺らはA国です。しかし、先程の武術は元軍人の父から継いだもの。教えてもらったものです』
zm｢じゃあなんでA国じゃなくて我々国なん？｣
この野郎、意外と手強い
ってかマジでしつこい
『それは…………俺がA国を恨んでいるからです』
zm｢なんで？｣
この人には遠慮という文字はないのか
まぁいい。伊達に特殊部隊やってないし
演技なら得意だ
『父はA国の手によって死にました。戦死ではなく、精神的に追い詰めて。兄には私の手助けをしてもらいました』
父が軍人なのは本当だし、死んでいるのも本当だ
憎悪の込めた目で俺は話した
ほら、伊達にやってないからね
zm｢……なんや、スパイや思たわ。でもさ、一つ言ってええ？｣
あ、案外単純なんだな
でも油断大敵、これから言われることに気をつけないと
『はい』
zm"｢なんで俺らのこと避けるん？｣"
『……。別に避けてるつもりは無いです』
zm｢そか｣
そう言って彼は俺を解放した
あそこまで問い詰めるのならもっと……って
『(ラッキーなはずなのに……何考えてんだろ、俺)』
明日、やっと訓練行けるから
ちゃんと寝なきゃね
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ロト - めっちゃタイプの感じです！！！更新待ってます (11月5日 17時) (
レス) @page20 id: 36a3bdf1ac (このIDを非表示/違反報告)
りおん(プロフ) - 男主なのに感情描写が繊細で、結構…自分だったらどうかなって考えちゃって。胸がいっぱいになるような作品で一目惚れです…供給ありがとうございます……。 (10月26日 8時) (レス) @page20 id: b7dec916ad (このIDを非表示/違反報告)
はなまるさんかく(プロフ) - ぽさん» ぽさん、コメントありがとうございます。注目ポイントをピンポイントで突かれて驚いております。ぜひぜひご期待頂ければ！更新、励んでいきます😌🙏 (10月22日 17時) (レス) id: 6d68557c5e (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - この物語からは儚さを感じます…、今は夢主さんの気持ちが深海のようにミステリアスで、闇を抱えているような感じですが、…ここからどう心情が変化するか見どころですね。更新頑張ってください、お身体に気をつけて。 (10月22日 16時) (レス) @page17 id: cb2f978ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなまるさんかく | 作成日時：2023年10月21日 20時
