1話 ページ2
小さな神社だがいつも参拝客が多い。
そんな神社は今日も忙しい。
瑠璃｢あーもー。午前中だけで疲れたぁー！ねえ、菫〜。神様に参拝客減らしてくださいってお願いしてよ。｣
巫女だろうか。もう1人の同い年くらいの子に話しかける。
菫｢無理だよ〜…あ…｣
瑠璃｢え？あ〜…神主さんじゃん。お疲れ様ですって言って話してきたら？｣
それこそ無理だと言わんばかりに赤くなる。
茜｢2人ともお疲れ様。飲み物持ってきたわ。｣
菫｢茜さん。お疲れ様です。｣
瑠璃｢ありがとうございます!!｣
呉｢大変そうですね。｣
1人の男が話しかけた。
茜｢っ!?｣
年上そうな女性が驚いた顔をした。
瑠璃｢お客様？何か探し物ですk｣
茜｢瑠璃ちゃん!!この方は…｣
瑠璃｢ほえ？｣
何事かと目を見開く。
A『何事か。』
呉｢はて。｣
菫｢綺麗な方ですね。｣
呉｢そうだろう。｣
瑠璃｢ちょっと菫。どこ見て話してんの？｣
A『この子は見えない子か。』
茜｢呉様!!本殿に戻ります…って主様が御神座から離れるとは何事ですか!?｣
A『人々の願いが多くてなぁ…』
瑠璃｢え。本当にそこに神様居るの？｣
由｢呉〜。｣
1人の神様に似た男の子が近づいてきた。
瑠璃(え。めっちゃイケメン!!将来有望よ!!さっきの茜さんと話してた呉って人に似てる…)
由｢なに？｣
目線が気になったのだろう。
しかめっ面で話す。
瑠璃｢え｣
A『由。』
呉｢由。｣
ほぼ同じタイミングで名を呼ぶ。
由と呼ばれた男の子は神様を見つけては明るい表情で抱きつく。
見えない人からは見えない場所に喜んで抱きついた。
由｢母上!!遊ぼ!!遊ぼ!!｣
無邪気にはしゃぐ我が子を抱く。
呉｢母上は仕事だから俺と居よう。｣
すると一気に不機嫌になった。
由｢母上とぉ〜…遊ぶのぉ〜…｣
A『構わん。』
男の子は嬉しそうに笑う。
見えない子には何がなんだかわからない状況である。
茜｢青磁くんと瑠璃ちゃんって神様達見えないんだもんね。仕方ないよ。｣
青磁｢みんなお疲れ様…って呉さん？｣
呉｢おお。青磁。｣
青磁｢おお。じゃないですよ。｣
A『翠の孫だったか？』
呉｢そうですよ。｣
青磁｢もしかして…神様がそこに…？｣
呉｢そうですよ。ここに由を抱っこしてる主様が居ますよ。｣
由｢せーじー。｣
人間バージョンになって神主に挨拶する。
青磁｢うお!?｣
由｢母上!!はやくー!!｣
A『急がずとも母はそばに居る。』
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2017年9月25日 0時
