検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:9,558 hit

5話 ページ6

sideA

みんなで集まってなんかしてる……

そーっと……そーっと……

薬師如来「……堂守…」

ビクッ

薬師如来「…は……あまり欲が…ない……」



なんのこと?

薬師如来「だから…今まで……堂守が…望んでる…と思って…暮らしてる…」

阿閦如来「確かに、おやつ食べたいとかそういうのはあるけど…」

阿弥陀如来「うむ……堂守は何かして欲しい事などを積極的に聞かなかったな…」

欲しいもの?

ないけど…

釈迦如来「……堂守。」

わっ!?

不動明王「あ、逃げた。」

釈迦如来「無理に追う必要も無いよ。」


追ってこない…?

伊舎那天「おやおや。」

なんか持ってる…

A『それ、なーに。』

伊舎那天「さあ。何でしょう。」

こわ…

ここ、ひんやりして気持ちいいかも。

A『……』

伊舎那天「いつもの縁側で御休みになられては?」

うーん…

A『みんな真剣に物議を醸してるから…』

邪魔だろうし

A『静かだねぇ……』

鹿威しが鳴る音

心地よい風

A『…スゥー…』

Noside

眠ってしまった小さな身体を持ち上げる。

伊舎那天「呆れるほど不器用ですね、貴女も他の仏達も。」

堂守は仏達に深く干渉しない。

仏達は堂守が大切であるが故の密議。

伊舎那天「貴女が、欲の1つや2つ出して頂ければ良いのに。」

小さな御堂の門番は与えられた物を感謝するだけで何も欲しない。

縁側に居なくなると仏達は顔を青ざめては探す。

伊舎那天「貴女はただ、縁側に御鎮座していれば良いのです。」

そっと縁側に眠らせる。

釈迦如来「ありがとう。伊舎那天。」

伊舎那天「いえいえ。庭で涼んで居りました。」

釈迦如来「団扇で仰げば良いかな。」

パタパタと団扇で仰ぐ。

釈迦如来「そう言えば堂守の煩悩って何か分かる?」


伊舎那天はニィと不敵な笑みを浮かべて


伊舎那天「さあ?どうでしょう。」

といたずらに答えた。


伊舎那天「あの煩悩は他には見せれませんねぇ。」



【 いつかはお別れしちゃうのかなぁ

世界は平和になって欲しいけど…

私が出来るのは戦ってくれる皆を浄化させてあげる事!…もっともっと皆の役に立たなきゃ……】


伊舎那天「もう十二分に役に立っているというのに…」


小さな彼女の煩悩を大事に抱きしめて自室を出る。


釈迦如来「君はもう少し何かを望んでも良いんだよ。」

小さな彼女を軽く撫で、その場を静かに去っていく。

6話→←4話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ユノン - 続きが気になる (2022年6月7日 19時) (レス) @page5 id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
風亜(プロフ) - 続きが気になります。 更新頑張って下さい! (2019年6月27日 11時) (レス) id: dbb86819bc (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 続きが気になります。更新頑張ってください。 (2019年5月29日 20時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ペテン師 | 作成日時:2019年5月23日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。