嘘を嫌う嘘つきたちは 2 (ページ6)

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Nside

「怖くないよ」

怖いくらい真剣な顔でそう言い切った相葉さん。

かっこいいなって思うと同時に、羨ましいって卑屈な気持ちになった。

実はこの頃、精神的に不安定でネガティブになることが増えていた。

これもストレスなのかはわからないけど。

だから、正直自分でもなんでそう思うのか、何をしたいのかがよくわからない。

「にの、何考えてる？」

頭上から優しい声が降ってくる。

「あ…えっと…」

「…言いたくない？」

口ごもっていると、相葉さんは少し寂しそうに笑って俺の頭に手を置いた。

「いいよぉ、無理に言わなくて。でもね、1人で頑張るのと1人で抱え込むのは違うからね」

あんまりにも相葉さんが優しいもんだから、じわっと涙が滲む。

「ふふ、泣いていいよ」

もう今日は何も考えないで泣く。

荒くなる呼吸も、濡れていく頬も、もう知らんぷりなんてできない。

けど泣いてる顔を見られるのは嫌で、せめてもの抵抗で後ろを向く。

相葉さんは無理に前を向かせることはしなくて、ただ背中を擦ってくれた。

「俺は、弱いのが悪いことだとは思わないよ」

誰に向けてでもなく呟かれたその言葉は、俺の気持ちを一気に楽にした。