嘘を嫌う嘘つきたちは 2 (ページ11)

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嬉しいような、悲しいような、そんな複雑な感情に襲われた。

でもこのままで良いわけないから、できるだけ普通を装って声をかけた。

「にの、松潤、おいで。収録始まるよ」

件の俺が急に出てきたもんだから4人とも固まってしまった。

「…聞いてた？」

にのが恐る恐る俺の眼を見る。

「ううん」

にのと松潤を連れて楽屋に戻る途中。

振り返って2人の頭を撫でる。

「ありがとね」

「やっぱ聞いてたんじゃん…」

「ふふ、ごめん」

この事知ったら翔ちゃんどんな顔するかな。

今度こそちゃんと楽屋に入れば、翔ちゃんとリーダーが俺たちを待ちわびていた。

「どこまで迎えに行ってたの？時間ヤバいよ」

「ごめん…ちょっとね」

「後でちゃんと説明しろよ。今はとにかく収録」

「はい」

確かに、もうちょっと急いで帰ってくれば良かったな。

小走りでスタジオに移動してスタッフさんに頭を下げる。

「すみません、遅れました」

「大丈夫ですよ、始めましょうか」

優しさが逆に申し訳ない。

せめて、集中して取り組む。