星屑ポスト 5 (ページ9)

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「俺は全然決まらないんだよね、夢ばかり見てきたツケかな」

あ、自覚はあるのか。

「だってね、夜中に憧れたような夢を信じるには、俺は大きすぎるんだよ。自分は何ができるのか、どれくらい頑張れるのか、この歳になると嫌でも見えてくるでしょ？

あれもできない、これも頑張れそうにないって、夢どころか自分も信じられない」

眼を伏せたにのを見て、俺はにののことを全然知らなかったと後悔した。

にのはにのでちゃんと考えて、悩んでたんだ。

「ごめん」

「どうして潤くんが謝るの？」

「いや、にののこと誤解してたって言うか…」

頭にはてなマークを浮かべるにの。

「ネバーランドに行きたいって、今も思う？」

「たまにね。でも、すぐに終わりが来るよ。もうピーターパンではいられない。ウェンディになって帰って来なくちゃ」

にのらしい言葉で締めくくって、シャーペンを取る。

「怖くても、俺は現実に生きてるんだもんね」

にのは、国立大の名前を書いて、一瞬躊躇った後覚悟を決めたように歩きだした。