星屑ポスト 5 (ページ12)

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変な夢を見たせいで、ちゃんとにのの目を見て話せる自信がない。

モヤモヤしながら電車に乗ってレッスンに向かう。

にのはギリギリに来て、いいのか悪いのか挨拶も交わさないままレッスンが始まった。

厳しいレッスンに必死に食らいついているうちに、夢のことはすっかり忘れていた。

レッスンが終わり、にのを誘って帰ろうとしたら、にのがいない。

荷物はあるから帰ってはいないみたいだけど。

少し待っていてもにのは全然戻ってこないから、探しに行くことにした。

トイレや、自販機のあるロビー、普段にのがよく行く場所を歩いても見つからなくて仕方なく練習室に戻ると、にのがそこにいた。

どうやら入れ違いになっていたみたいだ。

「にの、探したよ」

「あ…ごめん」

「どこ行ってたの？」

なんだか表情が暗いし、視線があちこちをさまよっているにの。

「ダンスシューズ探してた」

「ないの？」

気まずそうに頷いて、急に涙声になった。

「隠された。もう何回目か分からない。もうやだ」

目の前で泣くにのを見てられなくて、抱き寄せた。

「一緒に探そう。にのには俺がいるよ、絶対1人にしないから」

もしかしたらあの夢は、この事を暗示していたのかも。

でも、神様が相手だろうと孤独のプレゼント箱なんて俺が投げ捨ててあげるから。