道しるべの先に 4

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「疲れちゃったかな…？」

ゆっちが心配そうに様子をうかがうと、大野くんが首を横に振った。

「いや、安心して眠くなっただけだと思う」

大野くんの表情は柔らかかったけど、どこか切なげだった。

きっと大野くんは俺たちよりもたくさん会いに来てるから、その分苦しそうな姿もたくさん見てきたんだろうな。

だからこその、この表情なんだろう。

「もし、みんなが時間あるならさ、もうしばらくここにいて雑談しててくれない？」

「いいんですか？起きちゃうかもしれないですよ」

「うん」

大野くんは頷いた。

「病院にずっと1人でいるだろ？きっと俺たちの想像以上に寂しくて静かだと思うんだよ」

それだけで、もう言われなくても先の言葉がわかった。

確かに、病院は静かだ。

そして、暇であろうことは想像に難くない。

辛い治療に加え、何の面白みもない天井をただ見つめる生活は、苦痛以外の何ものでもないだろう。

「じゃあ、起きない程度に静かに…？」

隣のお部屋の患者さんに迷惑がかからない程度に。

いつもひたすら喋りまくる風磨が特に率先して喋ってくれて、俺達もいつものように気楽に話し始めた。

こんこんと眠り続けるにのさんを見て、大野くんは嬉しそうにしていた。

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