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しばらくまた2人で無言のまま歩いた
紫耀が、はぁ、と白い息を吐いて空を見上げる
「……でもさ、」
遠慮がちに口を開いた紫耀の声は、少し小さかった
「……うん」
「ちょっと勉強、頑張りすぎじゃない？」
そう言われて、泣きそうになってしまった
「……そうかな、」
「うん、そう思う」
紫耀が、冬休みの間私をずっと隣で見てきた紫耀が、そう言うんだから
そうなのかもしれない、ね。
「…………」
黙り込んだ私の方を、紫耀がちらりと振り返る
「……だってさ。おばさんも心配してるんだよ」
紫耀はまだ遠慮がちに、話を続けた
「……お母さんが？」
「そう」
母親を出されて、思わず反応してしまう
「最近Aが、ずっと部屋にこもって勉強してるって」
やっぱり、そうだよね。
「おばさんも、おじさんも。心配してた」
心配、かけてるよね。
「……当たり前じゃん、」
突然なぜかこの状況が笑えてきてしまって、
ふっと息で笑いながら紫耀にたてつく
「来年、受験だし」
引き下がらない紫耀は、さっきより少し強めに私に言葉を投げた
「いやそうだけどさ、そうじゃないじゃん」
「紫耀、」
やめて。言わないで。
「すごいもどかしいよ、俺、」
「紫耀、待って、」
「Aがこんなにつらそうなの見るの」
「ねえ紫耀、」
「やっぱりまだ海人、」
「紫耀、やめて！！！！」
熱くなっていっていた紫耀の口調に、怒鳴るような私の大きな声が重なる
思わず立ち止まった足
続けて前を歩いていた紫耀も立ち止まった
「…………A、」
「もう、いいから、」
君の話は、
「この話は、やめよう、」
絞り出したような私の声に、
真っ黒い世界の中、白い息を吐きながら紫耀が振り向いた
その目がゆっくり、私を見つめる
「……もういいならなんで、」
紫耀が切なげに眉をひそめた
「なんで泣いてんだよ、」
頬を伝う涙は止められなくて
ゆっくりと近寄ってきた紫耀が、
そっとその指で、涙をぬぐってくれた。
泣きたくなかったのに。泣かないって決めてたのに。
1度溢れてしまえば、止まることのない感情
どうして私は、
こんなに君のことが好きなのに、あの日、
最初の夏の日、
この気持ちに、嘘をついたんだろう。
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zzz(プロフ) - ここまでイッキ見してしまいました。廉先輩の様な厳しくも温かい優しさに触れあえて主人公ちゃんは幸せだよね…。どうか、みんなにとって最高な結末が待っています様に。 (2020年10月14日 19時) (
レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
バカさん(プロフ) - 詩愛さん» 待つだけで涙出てきます (2019年12月23日 21時) (レス) id: dcf79e1d34 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - バカさんさん» ありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです…まだまだ泣ける展開がありそうですが、最後までよろしくお願いします^^！ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - みるちゃ。さん» いつもありがとうございます！好きだと言っていただけて本当に嬉しいです…これからも素敵なストーリーをお届けしますので、最後までよろしくお願いします^^ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - みるちゃ。さん» いつもありがとうございます！好きだと言っていただけて本当に嬉しいです…これからも素敵なストーリーをお届けしますので、最後までよろしくお願いします^^ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2019年11月18日 19時
