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私たちはたまに会話しながら、あの街を目指した
「あとどれくらいですか」
今までは、運転席のお父さんに聞いていたのに。今となっては、
「あと20分ちょいかな」
隣に座る頼もしい先輩に、あとどれくらいか聞いている
時の流れを、また感じてしまった。
私が少し大人になったのと同じくらい、きっと君も大人になっているのだろう
そう思うと、なんだか会うのが怖い気もする
もし、何かが変わってしまっていたら？
あの、2回目の夏、
うみちゃんと君の、関係のように。
「おーい、戻ってこーい」
先輩の声で、現実に引き戻される
「もう着くで。海の匂いしてきた」
「……あ、窓開けてもいいですか？」
「ええよ」
嫌なイメージを取り払うかのように、私は窓を開けて潮の香りをいっぱいに吸い込んだ
ああ、帰ってきたんだ。
家々の間から、いつかの夏のように真っ青な波が見えた
久しぶりに来た街は、相変わらず静かで素敵だった。
「お〜〜海やん！」
旅館の駐車場に車を止めて、先輩が荷物を持って降りる
私も後に続いて、先輩の横に並んだ
「こんなとこに住んどるとか羨ましすぎるわ」
君の顔が、浮かんだ。
「いいところですよね」
「ほんまに」
先輩が、なんだかうっとりしていて、かわいかった
「まず、荷物置きにいこか」
「そうしましょう」
私たちは荷物を持って旅館の門をくぐった
ここの旅館は、実は紫耀の家からさほど遠くないところにある
その方が土地勘もあっていいかな。と、思ったから。
「こちらと、こちらのお部屋になります」
旅館の人が部屋に案内してくれて、私たちは別々の部屋に入る
入った途端、開け放された奥の窓の外から、
「…………すごい、」
あの時と変わらない、眩しすぎるほどきらめく、海が出迎えてくれた
紫耀の家に近いから、もしかしたら景色も似ているかと思ったけれど、
思った以上にほぼ同じ景色で、夏のいろいろな記憶がよみがえってきた
君に会いに、
また、来てしまったんだ。
改めて実感としてわいてくる、君との再会。
考えただけでも胸がどきどきして、
なんとなく息が苦しくなる。
ケータイが小さく鳴って、
「ロビー集合な」
先輩からのそんなメッセージを受信する
適当に荷物を置いてから、
私は部屋を出た。
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zzz(プロフ) - ここまでイッキ見してしまいました。廉先輩の様な厳しくも温かい優しさに触れあえて主人公ちゃんは幸せだよね…。どうか、みんなにとって最高な結末が待っています様に。 (2020年10月14日 19時) (
レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
バカさん(プロフ) - 詩愛さん» 待つだけで涙出てきます (2019年12月23日 21時) (レス) id: dcf79e1d34 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - バカさんさん» ありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです…まだまだ泣ける展開がありそうですが、最後までよろしくお願いします^^！ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - みるちゃ。さん» いつもありがとうございます！好きだと言っていただけて本当に嬉しいです…これからも素敵なストーリーをお届けしますので、最後までよろしくお願いします^^ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - みるちゃ。さん» いつもありがとうございます！好きだと言っていただけて本当に嬉しいです…これからも素敵なストーリーをお届けしますので、最後までよろしくお願いします^^ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2019年11月18日 19時
