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家の外は、身を切るように冷たい風が吹いていた
「さむっ」
紫耀が歩道を歩きながら呟いて、肩を震わせる
「A、寒くない？」
自分の方が寒いだろうに、心配してくれるその優しさ
私は何回、紫耀に救われただろうか。
「大丈夫だよ、ちょっと寒いけど」
「どっち笑」
紫耀が、ははっ、と笑うと、白い吐息が宙に舞った
無言で街をゆっくりと歩き進める私たち
ひんやりとした空気が、呼吸をするたびに肺に入っていく
その感覚が、とっても気持ちよかった
不意に見上げた空には、
夏の夜空とは、違う配置の星たち
君と見た時と季節も違うし、ここは都会だから、
見える星も、少なかった。
あの夏はもう、記憶でしかないのかな。
遠くかすんでいく夏の中で、
眩しいほどの、君の笑顔が見えた。
「建物でっか。」
紫耀がぼそりと呟いて、私の思考は冬へと戻ってきた
「都会だなーやっぱり」
紫耀のところもそこまで田舎じゃないのになぁと、思ったり。
「見慣れるとそこまで大きくないよ」
「そういうもんなのかー」
不思議そうに高層マンションを眺める紫耀が、少しかわいかった
「俺もこんな都会1回住んでみたいな」
「……買い物に困らないくらいで、自然も少ないし。あんまりいいことないよ」
「そうかな？俺は結構憧れあるけど」
「住んでみたらわかる、きっと」
「ないものねだりかもね笑」
他愛もない話をして、歩き続ける
車も、通行人も、もうほとんど見かけなくて、
世界には私たちだけなのかな。なんて、
錯覚してしまいそうになる。
紫耀と会うのは、決まってあの海がある街だった
そんな夏の海のイメージが強い紫耀が、
冬の住宅街で寒そうにコートなんか着ていて。
少しの違和感と、
過ぎていった夏への心残りが、
もやもやと私の心の中をただよっていた。
「てかほんとに寒い」
紫耀がまた呟いて、手袋をはめた大きな手をすり合わせる
「帰る？」
「あ、いやっ…、」
紫耀が慌てたように首を振った
「………Aに、聴こうと思ってたことがあって、」
なんとなく、紫耀は冬休みの間ずっとこの話をしたかったんじゃないか。そう思った
「なに？」
「うん……あのさ、」
「……後悔って、してないの？」
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zzz(プロフ) - ここまでイッキ見してしまいました。廉先輩の様な厳しくも温かい優しさに触れあえて主人公ちゃんは幸せだよね…。どうか、みんなにとって最高な結末が待っています様に。 (2020年10月14日 19時) (
レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
バカさん(プロフ) - 詩愛さん» 待つだけで涙出てきます (2019年12月23日 21時) (レス) id: dcf79e1d34 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - バカさんさん» ありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです…まだまだ泣ける展開がありそうですが、最後までよろしくお願いします^^！ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - みるちゃ。さん» いつもありがとうございます！好きだと言っていただけて本当に嬉しいです…これからも素敵なストーリーをお届けしますので、最後までよろしくお願いします^^ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - みるちゃ。さん» いつもありがとうございます！好きだと言っていただけて本当に嬉しいです…これからも素敵なストーリーをお届けしますので、最後までよろしくお願いします^^ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2019年11月18日 19時
