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それでもやっぱり季節は巡る。
私たちの冬休みが、終わりへと差し掛かった
夜に散歩をした次の日から、
紫耀は夏の話も、切なそうな目も、しなくなって、
本当に勉強を教えることに集中しているようだった
おかげで私も勉強に集中ができて、どんどん知識が増えていっているような手応えを感じる
そんな冬休みも、あっという間に終わって、
紫耀が家に帰る日になってしまった。
からっと晴れたお昼頃、
私は駅まで紫耀を見送りに来ていた
「紫耀、休み中ずっと付き合ってくれてありがとう。おかげで少し頭良くなった気がする」
紫耀はふわりと嬉しそうに笑う
「こちらこそ。お邪魔しました。」
そう言うと一歩私に近づいて、真剣な顔をしてみせた
「A」
「うん、」
「受験、頑張れよ」
その目が強くて、本当に応援されてるんだ、って。嬉しくなった
「うん、頑張る。紫耀本当にありがとう」
「お前ならできるよ、大丈夫」
″大丈夫″
あの夜と同じ言葉を繰り返す紫耀は、
やっぱりきっと。まだ私のことを心配してくれてるんだね
「……それで、」
紫耀が言葉を続けようとして、一瞬戸惑ったように見えた
「それでまた……海に、おいで」
海。
その言葉に隠された意味をなんとなくつかんだ
紫耀がすがるように私を見る
うなずけば、行くよって言えば、よかったのかもしれない。
たけど、とてもじゃないけど
そんなこと、嘘でも言えなかった。
あの海には、きっともう行けないよ、紫耀。
答えられなかった私は、曖昧に紫耀に微笑んだ
「…………あのさ、」
紫耀が何か言おうとした時、ホームに止まっていた電車の発車アナウンスが流れる
「…………ほら、もう行かなきゃ」
急かす私を、ぐっと見つめたあと
「……うん、またな」
紫耀が最後に、私の頭を優しく撫でて
電車へと乗り込んでいった。
ドアが閉まって、こちら側を振り向いた紫耀と目が合う
その瞳が、揺れていた。
きっと私も、同じことになってるんだと思う
無理に口角を上げた紫耀
私もぎごちなく笑いかけてみる
電車がゆっくりと動き出した
「……またね、紫耀」
小さな独り言は、電車の音でかき消されていく
冬が、終わった。
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zzz(プロフ) - ここまでイッキ見してしまいました。廉先輩の様な厳しくも温かい優しさに触れあえて主人公ちゃんは幸せだよね…。どうか、みんなにとって最高な結末が待っています様に。 (2020年10月14日 19時) (
レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
バカさん(プロフ) - 詩愛さん» 待つだけで涙出てきます (2019年12月23日 21時) (レス) id: dcf79e1d34 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - バカさんさん» ありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです…まだまだ泣ける展開がありそうですが、最後までよろしくお願いします^^！ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - みるちゃ。さん» いつもありがとうございます！好きだと言っていただけて本当に嬉しいです…これからも素敵なストーリーをお届けしますので、最後までよろしくお願いします^^ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - みるちゃ。さん» いつもありがとうございます！好きだと言っていただけて本当に嬉しいです…これからも素敵なストーリーをお届けしますので、最後までよろしくお願いします^^ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2019年11月18日 19時
