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君が、はぁ、とため息をつく
どんな言葉がその口から放たれるのか、
思わず唇を噛んだ
君がゆっくりと口角をあげる
その表情に、どこか安心してしまうと、
「……それだけ？」
君が、寂しそうに笑いながら、呟いた
「……え？」
質問の意味が分からなくて、聞き返すと、
「俺に言いたかったこと。それだけなの？」
泣きそうな瞳で、君がもう1度私に問いかけた
わからない。私は、
何を、伝えたかったんだろう。
黙り込んだ私から目線を外した君は、青い空を見上げた
「……Aちゃん、なんにも変わってないね」
君がまた私に目線を戻す
「去年の夏から。な〜んにも変わってない」
どういう、こと。
海人くんは言葉を続ける
「ほんとに、何しにきたの」
冷ややかな言葉が、私の心に突き刺さる
「……Aちゃんと俺の夏は、もう終わったんでしょ」
自分が1年前、そんな風に思っていたこと、海人くんはやっぱりわかっていた
「俺は、終わらせるつもりなんてなかったよ」
君の目が潤んだ
「…………今更すぎんだよ、そんな言葉」
私って、どこまで浅はかで、
馬鹿なんだろう。
「……悪いけど、帰って」
君より先に、私が泣いてしまいそうだった
君が私に背を向ける
「さようなら、Aちゃん」
小さくささやかれたその声が私の耳に届いた時
ついに、涙が溢れてしまった
海人くんがドアの向こうに消えていく
ドアが閉まる音が、重く、心に響いた
ねえ、海人くん
それなら、それならどうして、
あの日、私にキス、したの？
結局聞けなかった、あの時のこと
君が家に入ってしまってからも、私はずっとその場に立ち尽くしていた
信じたく、なかった。
こんな時ですら、頭をよぎるのは眩しい笑顔の君で
時間を、巻き戻すことができたなら。
突然、私のケータイが着信を告げる
何も考えずに通話ボタンを押した
「もしもし、」
「A？早く戻りなさい、もう出るわよ」
電話の向こうの母親が早口でしゃべる
「……わかった、」
やっとのことで絞り出した返事
重い足取りで、紫耀の家に向かって歩きだす
2度目の夏は、始まることなく、
終わってしまった。
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詩愛(プロフ) - さささん» 読んで頂いてありがとうございます！そうなんですかなり苦しいお話なんです笑 その分幸せになれた喜びが大きいはずなので！どうぞ最後までお付き合いくださいね。続きもお楽しみに！ (2019年11月19日 21時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - こんばんは。切ないです〜、苦しいです〜(>_<)自分が海ちゃんに冷たくされている錯覚をおこし、悲しいです〜。ハッピーエンドとお知らせ頂きつつも、悲しい…。でも更新が楽しみ(*´∀｀)早くキラキラな笑顔を見せて欲しいです！続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 19時) (レス) id: bafeb54348 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - しおりさん» いつもありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいですありがとうございます。ぜひ完結してもたくさん読んでください！でも、まだまだ終わりませんよ〜！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - milkさん» いつもありがとうございます！我ながらなかなか切なすぎるかなと思ったりもしています笑 ですが最後はうまくいい感じになるので、最後までどうぞお付き合いください！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - おだちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね！続きも楽しみに待っていてください〜^^ またコメントお待ちしています！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2019年9月7日 18時
