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紫耀は静かに、私の横にいた
髪の毛を滑るその大きな手
紫耀はずっと前から頼もしい存在で、
「やっと素直になれたじゃん」
そしてどこまでも、優しかった。
「……今更、って感じするよね、」
もう手遅れだ、って。
いっそのこときっぱりそう言ってくれたなら、諦めがつくのに。
紫耀は黙ったままだった
「……A、もう遅いから帰ろう」
しばらくして紫耀は呟くと、
頷いた私の手を引いて、立たせてくれた
2人で歩く、夜の街。
「で、これからどうすんの？」
突然、紫耀が私に問いかける
「……どう、って？」
「その……海人、と」
その名前を聴いただけでも、胸が痛くなった
「どう、って……何もできないよ、」
「じゃあAはこのままでいいの？」
「………そんなの、」
いいわけ、ない。
「…………今年の夏休みも、そろそろ終わるよ」
紫耀がゆっくりとそう言って、私は時のはやさを思い知った
そっか。もう、そんなに経ったんだ。
また君と、お別れしなきゃいけないのかな。
そんなの、嫌だな。
私が小さく手を握りしめると、紫耀がちらりとこっちを見た
「ちゃんと、思ってること伝えた方がいい気がするけど」
紫耀の言葉。
「……そう思う？」
「……うーん、少なくとも俺は、ね」
「そっか、」
そこでやっと、私たちは家に着いた
涙はすっかりかわいて、どこかすっきりとしてしまったような気がする
「…………Aが決めることだけど、」
玄関のドアノブに手をかけた紫耀が、私を振り返った
「俺がもしAなら、ちゃんと伝える。かな」
紫耀がそう言って、優しく、優しく微笑んだ
まるで、″がんばれ″、そう言っているみたいに。
そう、だよね。
私まだ、何も君に伝えてない。
伝えて、みようか。この気持ち。
家に入った私たち
紫耀は私の部屋までついてきてくれた
「紫耀、ありがとう」
暗い部屋に、2人
「なんで、何もしてないよ、俺」
「ううん、そんなことない」
見上げた紫耀の目は、優しかった
「紫耀がいてくれて、よかった」
そう言えばもっと優しく微笑んでくれる
「俺もだよ」
最後にもう1度私の頭を撫でると、
「おやすみ。よく休んで」
紫耀は部屋を出て行った
ドアが閉まる
私はまた、1人になった。
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詩愛(プロフ) - さささん» 読んで頂いてありがとうございます！そうなんですかなり苦しいお話なんです笑 その分幸せになれた喜びが大きいはずなので！どうぞ最後までお付き合いくださいね。続きもお楽しみに！ (2019年11月19日 21時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - こんばんは。切ないです〜、苦しいです〜(>_<)自分が海ちゃんに冷たくされている錯覚をおこし、悲しいです〜。ハッピーエンドとお知らせ頂きつつも、悲しい…。でも更新が楽しみ(*´∀｀)早くキラキラな笑顔を見せて欲しいです！続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 19時) (レス) id: bafeb54348 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - しおりさん» いつもありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいですありがとうございます。ぜひ完結してもたくさん読んでください！でも、まだまだ終わりませんよ〜！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - milkさん» いつもありがとうございます！我ながらなかなか切なすぎるかなと思ったりもしています笑 ですが最後はうまくいい感じになるので、最後までどうぞお付き合いください！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - おだちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね！続きも楽しみに待っていてください〜^^ またコメントお待ちしています！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2019年9月7日 18時
