103 ページ5
・
何かが、やっぱり変わったのだろう。
夏休みが終わってしまってから、
なぜか複数の男子が私と恋仲になりたいと言ってきた。
同じクラスの仲のいい人だったり、
かと思えばあまり話したことのない人まで。
だけど、残念なことに
はっきり言うと興味はない。
もともと恋愛体質じゃないし、告白されただけで付き合うなんてことは、ありえない
だから、全員断っていた
″ごめんね″
断る時にその言葉を口にするたび、
夏の暑さを思い出すのは、きっと気のせいじゃない
断ることは断るけど、
どうしても食い下がって粘る相手とは一度だけデートしたりもした
なんだか軽い女になってしまった気がして、自分に嫌気がさす
ときめきがほしかったのか、何なのか。
誘われて行くデートは、毎回どれも楽しくなかった。
最初の方こそ、「普通」という感想だけで済んでいたけど
回数を重ねるたびに、どんどんつまらなくなってきてしまった。
「ねえねえ、A！」
ある朝、いつも通りに教室に入ると、女の子たちがパッと私の周りに集まってきた
「昨日なんかAが男子と歩いてるとこ見ちゃったんだけど！」
「もしかして彼氏？？」
そんなわけ、ないでしょ。
「ううん、違うよ。告白されて、1回デートしただけ」
私が何気なく言えば、少し驚いたような女の子たち
「……Aからそんな言葉を聞くなんて！」
「大人の階段登ってんじゃん」
これは大人の階段なんていうものなんかじゃない気がするけどね。
自分の席に荷物を置きに行くとついてくるその子たち
「あ、おはよ、」
すると、あまり話したことのない男子に挨拶をされた
「おはよう」
適当に愛想笑いで返しておく
その様子を見ていた女の子たちはさっきよりもっと驚いたみたいだ
「なにめっちゃモテてんじゃん！」
「どうしたどうした〜〜！」
「さあ、なんだろうね」
なんだか面倒くさくて、こっちも適当に愛想笑いで受け流す
「ちょっと気になるんだけどさ、」
1人が突然口を開く
「誰とも付き合わないの？」
「たしかに」
「モテてんのに」
口々に私に言葉を投げる彼女たち
「……それは、」
思わず言葉につまる
君の涙を、また思い出してしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 478人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - さささん» 読んで頂いてありがとうございます！そうなんですかなり苦しいお話なんです笑 その分幸せになれた喜びが大きいはずなので！どうぞ最後までお付き合いくださいね。続きもお楽しみに！ (2019年11月19日 21時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - こんばんは。切ないです〜、苦しいです〜(>_<)自分が海ちゃんに冷たくされている錯覚をおこし、悲しいです〜。ハッピーエンドとお知らせ頂きつつも、悲しい…。でも更新が楽しみ(*´∀｀)早くキラキラな笑顔を見せて欲しいです！続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 19時) (レス) id: bafeb54348 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - しおりさん» いつもありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいですありがとうございます。ぜひ完結してもたくさん読んでください！でも、まだまだ終わりませんよ〜！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - milkさん» いつもありがとうございます！我ながらなかなか切なすぎるかなと思ったりもしています笑 ですが最後はうまくいい感じになるので、最後までどうぞお付き合いください！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - おだちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね！続きも楽しみに待っていてください〜^^ またコメントお待ちしています！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2019年9月7日 18時
