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どんどん過ぎていく街の風景
しばらくして君の家が見えてくると、自転車がスピードを落とし始めた
キュッと止まった自転車の勢いで、君の背中にぶつかりそうになる
「先降りて」
君の言葉に、あたふたと自転車を降りた私
海人くんは自転車を門の横に止めると、ずんずんとドアまで突き進んで行って、勢いよくドアを開けた
「ただいま」
君が呟いて、門のところで立ち尽くす私を振り返る
「……入って」
「……うん、」
俺んち、って言葉。何かの間違い、じゃなかったんだ。
君の横を通り過ぎて、玄関に足を踏み入れる
「お、お邪魔します、」
「あ、誰も。いないから」
君が少し低い声でそう言うと、ドアを閉めて、内側から鍵を閉めた。
「え？」
小さく漏れた私の声
「いいから上がれよ」
海人くんが、慌てて靴を脱いだ私の腕を強めの力でリビングに引っ張っていく
久しぶりに来た、君の家。
なにもかも懐かしくて、君の匂いを、いっぱいに吸い込んだ
「ここ、座って」
私をリビングのソファに座らせると、廊下に出て行った海人くん
そして、君はすぐに手当てに必要なものを持って戻ってきた
「手、かしてみ」
ソファの前にひざまずいて、私の手をそっと握る君の手
君はまた、私の目を見ないようにしているみたいで。
その前髪が、私たちが見つめ合うことを拒んだ
「いい？ちょっとしみるかも」
「………いい、よ」
傷をゆっくりなぞった君の指に、思わず肩がぴくりと動く
「………」
黙ったまま、私の手を取る君を見ていたけど、
距離が壊れそうで。だめで。
自ら、顔を背けた。
ねえ、どうして君は、
私とまた、関わろうとしてるの。
消毒液の臭いと、手に少しの痛みを感じる
「ごめんねほんと。急に曲がって」
突然、小さくつぶやいた君
「ううん、大丈夫、」
なんとか返事をするけど、出てきた声は震えていた
君と2人きり。そんな空間なのに、
涙が溢れてしまいそうで。
時計の針の音が、毎秒毎秒を大きく刻んでいた
2人きり。2人きり、なのに。
「…………」
こんなに、近いのに。
心が、遠い。
君の手と私の手が重なっている。その事実だけで、
こんなにどきどきして。
ねえ、どうして優しくするの。
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詩愛(プロフ) - さささん» 読んで頂いてありがとうございます！そうなんですかなり苦しいお話なんです笑 その分幸せになれた喜びが大きいはずなので！どうぞ最後までお付き合いくださいね。続きもお楽しみに！ (2019年11月19日 21時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - こんばんは。切ないです〜、苦しいです〜(>_<)自分が海ちゃんに冷たくされている錯覚をおこし、悲しいです〜。ハッピーエンドとお知らせ頂きつつも、悲しい…。でも更新が楽しみ(*´∀｀)早くキラキラな笑顔を見せて欲しいです！続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 19時) (レス) id: bafeb54348 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - しおりさん» いつもありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいですありがとうございます。ぜひ完結してもたくさん読んでください！でも、まだまだ終わりませんよ〜！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - milkさん» いつもありがとうございます！我ながらなかなか切なすぎるかなと思ったりもしています笑 ですが最後はうまくいい感じになるので、最後までどうぞお付き合いください！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - おだちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね！続きも楽しみに待っていてください〜^^ またコメントお待ちしています！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2019年9月7日 18時
