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ある週末の昼下がり
私は告白してきたそのクラスの男子と、街を歩いていた
「さっきの店、どうだった？」
「おいしかったよ」
「よかった」
さっき食べたご飯の感想を伝えれば、嬉しそうにはにかむ彼
その表情があまりに純粋で、
また自分だけ、色のない世界にいるような感覚にはまっていく
会話が止まらないように、彼は色々な話をしてくれた
担任の話、部活の話、家族の話。
どれもつまらないわけじゃなかった
だけど、面白いわけでもない。
このデートは可もなく、不可もなく。
普通。
まあそこまで好きな相手じゃないし、当たり前か。
そんな、冷めた気持ちばかり生まれた
「ん〜〜…あ、そうだ」
あまりしゃべらない私のために、話題を探していた彼が声を上げる
「休みの日とか、何してる？夏休みこの前終わったけど」
夏休み。
君の表情、その手の感触、
またすべてを鮮明に思い出す。
夏、眩しい季節。
「……A？どしたの、」
返事をしない私を
デート中だけ、と2人で取り決めたから下の名前で呼ぶ彼
そんな風に呼んでくれたって、
君との思い出が消えてなくなるわけじゃない。
途端に今自分が好きでもない人と肩を並べて歩いている現実に嫌気がさす
「なんでもないよ」
「なんか体調悪かったりすんの？大丈夫？」
「うん、大丈夫」
「……そっか」
納得していない様子の彼が私から目をそらす
夏は終わったのに、
私はあの街から帰ってきたのに、
どうしてこんなに、君ばかり、
君ばかり考えてしまうの。
私と君の気持ちは一緒じゃないって思ってたのに、
ひょっとしたら私、
「Aさ、」
突然名前を呼ばれて我にかえる
「変わったよな、なんか」
また、そう言われた。
「夏休み明けてから、変わった」
「そうかな？気のせいだよ」
「なんで今日デートしてくれたの？」
「え？」
彼の目が私を見つめる
「Aは、好きでもないやつとデートしなさそうだったから」
その言葉に驚いた
たしかに前の私は、絶対にそんなことしなかったはずだ
まるで君にしたように、何も答えない私を見て彼が諦めたようにふっと息を吐く
「もう帰ろっか、今日はありがとう」
私はやっぱりあの夏、あの街に、
忘れ物をしてきてしまったみたいだ。
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詩愛(プロフ) - さささん» 読んで頂いてありがとうございます！そうなんですかなり苦しいお話なんです笑 その分幸せになれた喜びが大きいはずなので！どうぞ最後までお付き合いくださいね。続きもお楽しみに！ (2019年11月19日 21時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - こんばんは。切ないです〜、苦しいです〜(>_<)自分が海ちゃんに冷たくされている錯覚をおこし、悲しいです〜。ハッピーエンドとお知らせ頂きつつも、悲しい…。でも更新が楽しみ(*´∀｀)早くキラキラな笑顔を見せて欲しいです！続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 19時) (レス) id: bafeb54348 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - しおりさん» いつもありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいですありがとうございます。ぜひ完結してもたくさん読んでください！でも、まだまだ終わりませんよ〜！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - milkさん» いつもありがとうございます！我ながらなかなか切なすぎるかなと思ったりもしています笑 ですが最後はうまくいい感じになるので、最後までどうぞお付き合いください！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - おだちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね！続きも楽しみに待っていてください〜^^ またコメントお待ちしています！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2019年9月7日 18時
