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わかってたよ、紫耀がこんな風に言うってことくらい。
私を強く見つめ続けるその眼差しは、揺るぎない
でも、でも、
頷けない。頷けなかった。
君の幸せを、誰かとの幸せを喜ぶなんて、
自業自得なのに、できそうにないんだ。
「…………」
紫耀は動かない私を見つめて、
「…………だよな、」
はぁっと息をついてそう呟いた
その表情が少し、やわらかくなったことに気がつく
「実は知ってるよ、俺」
紫耀が悲しそうに微笑む
「自分の気持ちに気がつかなかっただけで、本当はAも海人のこと、大好きだったんだ、って。」
またしても溢れそうになる涙
だめ、泣いたらだめ。
私が、悪いんだから。
「だから海人のこと、話すか迷った。だけどもう、色々目撃しちゃったみたいだったし、」
紫耀がふと、空を見上げた
「言ったほうが、Aのためにもなるかなぁって」
紫耀はほんとうに、お兄ちゃんみたいだ。
痛み疲れた心に、そんな紫耀の思いやりがしみる
「…………ごめん、大丈夫？」
心配そうに、私の顔を覗き込むその目は、優しかった。
「…………私、バカだなぁ、」
やっと絞り出した、震える涙声
「…………今更気がついたって、どうにもならないのに、」
次の瞬間、視界が大きく揺れて、
突然、紫耀が私を抱きしめた。
あたたかかった。
紫耀の腕がぎゅうっと私を抱きすくめてくる
こんな時でさえ、私はこれが君ならどんなにいいだろう。そう、思ってしまった
「…………ねえA」
返事をする代わりに頷く
「俺からこんなこと言うのも、ほんとにつらいんだよ。だけど、」
紫耀の肩越しに見えた景色は、清々しいほどの緑
「海人は今、幸せだよ」
ついに、流れた一筋の涙
ごめん、ごめんね、海人くん。
ずっとずっと、つらかったよね。
溢れた想いが、止まることもなく次から次へとこぼれ落ちては、紫耀のシャツに染み込む
「…………ごめんな、」
謝ることなんて何もないのに、
優しい紫耀は、苦しそうな声で何度もそう呟いて、
ずっと、ずっと、
私のことを抱きしめていた。
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詩愛(プロフ) - さささん» 読んで頂いてありがとうございます！そうなんですかなり苦しいお話なんです笑 その分幸せになれた喜びが大きいはずなので！どうぞ最後までお付き合いくださいね。続きもお楽しみに！ (2019年11月19日 21時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - こんばんは。切ないです〜、苦しいです〜(>_<)自分が海ちゃんに冷たくされている錯覚をおこし、悲しいです〜。ハッピーエンドとお知らせ頂きつつも、悲しい…。でも更新が楽しみ(*´∀｀)早くキラキラな笑顔を見せて欲しいです！続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 19時) (レス) id: bafeb54348 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - しおりさん» いつもありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいですありがとうございます。ぜひ完結してもたくさん読んでください！でも、まだまだ終わりませんよ〜！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - milkさん» いつもありがとうございます！我ながらなかなか切なすぎるかなと思ったりもしています笑 ですが最後はうまくいい感じになるので、最後までどうぞお付き合いください！続きもお楽しみに！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - おだちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね！続きも楽しみに待っていてください〜^^ またコメントお待ちしています！ (2019年11月15日 16時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2019年9月7日 18時
