この夏を永遠に K.T

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ゆっくりと夢へと落ちていくような感覚






そのまどろみの中で、君の手の体温だけが、頰から伝わってきた





「………寝るの？」





そんな風に私に聞く





「ん、ねない」





「いや、寝てるでしょ笑」





君がゆっくりと微笑んで、小さくささやいた





「寝ていいよ、おやすみ」




その表情に安心して目を閉じる









「……だからもっと警戒して、って。言ってんのに」







また切なそうに君から溢れた言葉は、私の夢の中へと溶けていった









・









まぶた越しに昼過ぎくらいの明るさが伝わる



あれ、ほんとに寝てたかな。



はっとして目を開けば、





「……え、」





私を抱きかかえるようにして寝ていた、





「……海人くん、」





近い、な。





私が名前を呼ぶと、ゆっくりとその目を開く君





「あ、Aちゃん、起きた？」



「……う、うん、ごめんね？寝ちゃって」



目の前の君に戸惑いながら、小さな声で会話をする



「え〜全然平気。超いいもん見れたから」



なんか、ニヤニヤしてる海人くん。



嫌な予感。



「なに、いいものって」



瞬間、得意げににこりとする君のほっぺた






「Aちゃんの、寝顔」






「え、」



「まじ天使顔負けだったわ。もうちょい寝てくれててもよかったんだけど」



「いや、恥ずかしいから、」



ふふふ、と笑う君の声がくすぐったい



この距離も、恥ずかしいのに。



「ね、忘れて？記憶から消してほんとに」



「もう無理です〜俺の心のアルバムに永久保存しちゃったから」



「そんなの保存しなくていいから…」



困ったような表情の私を見て、明るく笑いだす君








「もう、あんまりお姉ちゃんを困らせないの、」







よく姉弟と言われるのを意識して、ふざけて海人くんに言ってみた



すると、すっ、と冷えた目になる君






「……Aちゃんにとってさ、俺って弟なの？」



「……よくそう言われるよね、？」








「……俺は、Aちゃんと姉弟なんていう関係じゃ、満足しないけど」








強い目で、私を抱きかかえたまま、もっと私を困らせるの。







「……俺、これからもっと困らせるかも。Aちゃんのこと」






私だってそこまで鈍感じゃない。



直接的じゃない表現でも、なんとなく君の気持ちがわかってしまった



じっ、と私を見つめると君は無邪気な顔に戻る






「独り占めタイム、次なにしよっか」

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