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紫耀の大学入学よりも、私のデビューの方が早かった。
慌ただしくスケジュールに追われながらも、
私が投げ出さずにいられたのは、
他でもない紫耀からもらった、たくさんの希望のおかげだった。
だけど同時に、紫耀とのこれからを何回も考えることがあった
大人たちに決して言えない関係、
隠し通さなければいけない関係。
その秘密を抱えた私はとても、不安定だった
私の歌手としてのコンセプトは「片想い」
たくさんの話し合いの末に決められたことらしく、
リリース曲も、ほとんどをバラードが占めていく予定だと聞いた
『………片想い、か』
あるレッスンの日、合間に歌詞を見つめて呟く
思い浮かぶのはもちろん紫耀のこと
今は結ばれている私と紫耀ではあるけれど、
想いが届くか届かないか、と、
そわそわしていた季節のことを思い出した。
「そうね、片想い。だから切なく仕上げないとね」
私の呟きが聞こえていたのか、歌の先生が私に笑いかける
慌てて顔を上げて頷くけれど、
再開されたレッスンの中、紫耀のことが頭をよぎった
離れる気なんて、なかった
だけど、秘密にしていることが、私の肩を重くする
幼すぎる私たちに、その大きな秘密は、
少しばかり、手に負えなかった。
レッスンの途中、デモテープを止めた先生の指先
私の方をまっすぐに見つめ、歌唱を制する
「Aさん？」
『、はい』
「何か迷ってるの？そんな声に聴こえるけど」
『………いえ、大丈夫です、』
音色はきっと、言葉よりも正直だ。
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さ - 詩愛さんの作品は本当に全部素敵で大好きです。更新楽しみにしています！応援してます(*^^*) (5月28日 22時) (
レス) id: b7360dee29 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - タンさんさん» 一気にここまで来てくださりありがとうございます！！更新頑張りますね！！ (5月7日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
タンさん(プロフ) - 面白くて一気に読み進めちゃいました！更新楽しみにしています！ (2023年5月6日 15時) (レス) @page5 id: 85b052b1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2023年4月28日 18時
