54 ページ5
・
そして私も、紫耀の彼女になった。
『あ、お待たせ…、えっと、待ってない？』
紫耀が2年生に上がる頃、
ふたりで待ち合わせた、週末の公園
先に待ち合わせ場所に来ていた紫耀に駆け寄ると、
キラキラ、あの眩しい笑顔で振り向く君
「待ってないよ、全然」
『そっか、よかった。ありがとね…、えっと』
もじもじと視線を合わせられない私を見て、君は笑う
「ねえそろそろ慣れてよ。俺の名前呼ぶの」
『だって…なんか恥ずかしくて』
「俺はもう馴染んだよ、A」
そうやってその声で、名前を呼ばれる度に、
心臓がぎゅっと縮んで、どうしようもないくらいどきどきして。
私が思わず視線を逸らすと、ぐっと距離を詰める君
「………早く呼んで、俺の名前」
『………近いよ、』
「呼んでくれるまで離れないから」
悪戯に微笑む君、いや、紫耀は、
いつだって私に、ときめきを教えてくれる人だった。
「ほら早く。俺らどこにも行けなくなっちゃう」
『…………紫耀、』
「、完璧じゃん。可愛い」
私がその名前を呼べば、嬉しそうに頬を緩める紫耀
そして満足そうに身体を離し、
キラキラと笑ったまま、私のとなりを歩き始めた
『………ね、しょ、紫耀はもう、進級だね』
「あーうん。そーだね？2年生か」
ふたりで並んで、公園を出て街を歩く
この頃の私は学校を辞めたばかりで、
ずいぶんと、気分が落ち込んでいて。
『………2年生も、頑張ってね』
紫耀に向かって、その悲しい気持ちを話してしまうことが多かった。
そんな私の言葉を聴いて紫耀は、うん、と頷く
そして多分、そういう私の心を知っていて、
「てことは、あれじゃん。俺ら出会って1年じゃん！」
なんてまた、弾ける笑顔で私に話しかけるんだ
『あ、そうだね。たしかに』
「だよね？すげー。覚えてる？最初に校門の前で会ったの」
『覚えてるよ、もちろん』
「よかった。俺だけ覚えてたらどーしよって思ってた」
となりで、明るく笑う君
いつも私の寂しい気持ちを打ち消してくれる君
そんな君がいるから私は今日も、
なんとか日々を、過ごせているんだ。
私に根付いた、真っ黒な気持ちや考えは、
いつも紫耀の言葉と笑顔で、
照らされて、癒されて
私はその度に、君をどんどん好きになっていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 964人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - かずまｓｓｓさん» わあよかったです！！😭明日からもまた1週間頑張りましょう！コメントありがとうございました🫶 (2023年4月23日 15時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
かずまｓｓｓ(プロフ) - ありがとうございます！キュンキュンしました！明日もがんばれそうです！ (2023年4月17日 19時) (レス) @page19 id: 67c757a651 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ゆゆさん» こんばんは、リクエストありがとうございます！今後の占ツクでの活動については、今ちょうど考えているところで、必ずしもお答えできないかもしれません😭チャンスがあれば、挑戦させていただこうと思います。コメントありがとうございました♡ (2023年4月9日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - ごめんなさいDMじゃないです間違えた笑笑 (2023年2月26日 11時) (レス) id: 2b084ad39d (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 急にごめんなさい！リクエストとか受け付けているのか分かりませんが、もし可能だったら岸くんが体育教師で夢主が生徒の恋愛系のお話を書いて欲しいなって思ってDMさせてもらいました！お返事頂けると幸いです！ (2023年2月26日 11時) (レス) id: 2b084ad39d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2023年1月30日 19時
