61 ページ12
・
「うわ、せっま。」
『本当だ』
ふたりで転がり込んだカラオケボックス。
小さすぎる部屋に、思わずそんな言葉が漏れる
「……やべ、なんか緊張してきた。笑」
『なんでよ、』
紫耀が照れくさそうに笑う
そんなことを言われると、この個室にふたり、
私の方も、嫌でも君のことを、意識してしまうじゃないか。
ふと訪れた沈黙
紫耀の方を見ると、あっという間に交わる視線
そのまま一瞬、甘い雰囲気になりかけた。
「、待って。俺に先歌わして」
『………うん、歌って？』
それを誤魔化すように、紫耀が機械を手に取る
私も加勢して、一瞬の雰囲気をなかったことにした
「何しよっかなー。あ、こんなのあんじゃん。」
嬉しそうに曲を選ぶ紫耀
あっという間に入れられたのは、最近のドラマ主題歌
「A、次の曲入れといて」
『うんわかった』
紫耀がマイクを手にして、そっとその声を紡ぎ出す
しっとりとしたイントロから、サビにかけてだんだん熱くなる
真剣に、心を込めて歌うその横顔が、
あまりに綺麗で。
触れたら壊れそうな繊細な歌声が、
あまりに儚くて。
「………はい、俺のターン終了〜」
『………紫耀すごい、』
曲が終わって、フェードアウトしていく伴奏
私は思わず、君に拍手を送った
『紫耀の歌、とっても好き』
「え、そんな褒めてくれんの？嬉しいけど」
『綺麗だった、本当に』
「ねえもういいから！照れんじゃん。」
嬉しそうに、だけど恥ずかしそうにする紫耀
やっぱりそんな君が、愛おしい。
「ほらいいってもう。A曲始まるよ？」
『あ、ほんとだ。期待しないでね』
「わかったよ、めっちゃ期待しとく。笑」
『もう、紫耀、』
私の曲のイントロが流れ出す
私に、歌って、と促す紫耀
久しぶりにカラオケに来た私の、マイクを持つ手が震える
紫耀が、見ている、
小さく身体を揺らす君を一瞬眺めた後、
私は目を閉じて、すっと息を吸った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 964人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - かずまｓｓｓさん» わあよかったです！！😭明日からもまた1週間頑張りましょう！コメントありがとうございました🫶 (2023年4月23日 15時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
かずまｓｓｓ(プロフ) - ありがとうございます！キュンキュンしました！明日もがんばれそうです！ (2023年4月17日 19時) (レス) @page19 id: 67c757a651 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ゆゆさん» こんばんは、リクエストありがとうございます！今後の占ツクでの活動については、今ちょうど考えているところで、必ずしもお答えできないかもしれません😭チャンスがあれば、挑戦させていただこうと思います。コメントありがとうございました♡ (2023年4月9日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - ごめんなさいDMじゃないです間違えた笑笑 (2023年2月26日 11時) (レス) id: 2b084ad39d (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 急にごめんなさい！リクエストとか受け付けているのか分かりませんが、もし可能だったら岸くんが体育教師で夢主が生徒の恋愛系のお話を書いて欲しいなって思ってDMさせてもらいました！お返事頂けると幸いです！ (2023年2月26日 11時) (レス) id: 2b084ad39d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2023年1月30日 19時
