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・
ある日、大学にいるとまた、永瀬さんからの連絡がある
「またうまいやつ作ってもうた」
講義中、そんなふうに送られてきたメッセージは、
少しだけ、私の心を軽くしてくれた。
『新作ですか』
「あれ、今授業中やん」
『永瀬さんも勤務中』
「俺は休憩中やから」
いつのまにか、なんとなく私のタイムスケジュールを把握している永瀬さん
彼はいたずらのように、
よく講義中にメッセージを送ってくる人だった
「まー時間あったら来て、1番うまくいったのとっとくわ」
『行きますよ、暇なので』
「それはよかった」
そっとケータイの画面を消して、視線を上げる
教授の話に、耳を傾ける
私のクラウンへ行く目的は、
いつからから岸さんではなく、永瀬さんのケーキになっていた。
・
「おー、来た来た。いらっしゃい」
訪れたクラウンの扉も、少し前より軽い気がする
それは間違いなく、永瀬さんが導いてくれた、
新しい私の、楽しみのおかげだった。
「席こっち。早く食べてほしくて待ちきれんかったわ。」
『ありがとうございます、なんか』
案内された席には、もう既に今日のケーキが置かれていて。
ちょっと、いや。かなり、嬉しかったと思う。
「今日はビターな感じ。ちょっと大人な味なんやけど、Aさんのお口に合うかな。」
『永瀬さんのはなんでも美味しいですよ』
「、素直に嬉しいこと言うやん、」
私の向かいの席、はにかみながら彼が腰を下ろす
一口食べた新しいケーキは、たしかに少しだけほろ苦くて、
だけどなぜか、大人になれた気がした。
「………苦すぎたかな、」
『いや、これくらいならちょうどいいと思います』
「ほんまに？」
『はい、なんかたしかに大人っぽい味ですけど、美味しいです。』
私がそう口にすると、永瀬さんの顔からふと、笑顔が消える
なんだろう。そう思ってじっと見つめていると、
彼は視線を落としたあと、寂しそうに笑った
「…………別に、無理して大人になる必要なんてないからね。」
続く言葉が、深く胸に響く
「Aさんは誰にも合わせんでいい、そのまんまで居てくれたら、俺は、」
『………、』
「、まあ俺は、ええなぁと思うよ。」
永瀬さんの視線は、まだ伏せられたまま
岸さんとのことを、言われている気がした。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
