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その問いに、どんな意味があったかなんて知らない
ただ、それをあなたが聴いてきたということ、
それが、嫌だった。
答えなんてもう、知ってるくせに。
『………飲めないです、まだ』
震える声、唇を噛む
比べられている気がした、あの女の人と。
飲める、って。私も大人です、って。
本当は、言いたかったよ。
「………あー、だよね！！悪りぃ、変なこと聞いて」
岸さんが、不器用に微笑みながら頭を掻く
ねえ、無理してるでしょ。
正直に今、何を考えたの？
あなたの視線が、地面に落ちる
その口角が、不自然な角度で曲がっている
何もわからないから、推測するしかなくて。
そしてその推測は決して、幸せなものなんかじゃなくて。
『………私こそ、ごめんなさい、』
思わず、あなたに謝った。
ごめんなさい、子どもで。
ごめんなさい、あなたに似合うような、女性じゃなくて。
「え、え？なんで謝んの！！」
『………、』
あなたが、何かを誤魔化すように、
現実から目を背けるように、また笑う
私の方はただただ自分が情けなくて、
岸さんの目を見ることが、できなかった。
「………あ、やっべもうこんな時間、」
『………、』
「ごめんねAちゃん、引き止めちゃって。」
あなたがひとり、会話を成り立たせようとしているのがわかる
私の返事を待っている空気が伝わる
だけど、今話せば泣いてしまいそうで。
「………俺、お店戻るわ、」
やがて、何も言わない私に岸さんはそんな声をかける
なんとか頷いた私の目の前、
あなたは最後に、もうひとつだけ、私に質問をした
「………また、来てくれる？」
いつのまにか、あなたからの嬉しい言葉もすべて、
私にとっては、虚しくなる要因になっていて。
『…………時間が合えば、行きますね、』
その虚しさに比例するように、
私のあなたへの言葉も、素直じゃなくなってしまった
「………珍しいね、Aちゃんがそんな風に言うの。」
岸さんが、小さく呟く
冷え切っていて、感情が読み取れない声だった。
「………とりあえず、俺時間ヤバいから行くね」
『、はい』
「それじゃ。」
あなたが、目の前からいなくなる
やっと視線を上げれば、
大好きな大きな背中が、遠ざかっていくところだった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
