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『………岸さん、なんで、』
目と目が合う、息が止まりそうになる
たくさんの時間を経て、あなたは少しまた、
歳を、とっていた。
『、……岸さんが、なんでここに、』
うまく言葉も紡げない
どうしたらいい、いざ目の前にしたら、
言いたいことはいっぱいあるのに、あるのに、
「……じゃ！まあ後はふたりで話しな！」
「俺ら戻るんで、岸さんちゃんとAに説明したってな。」
海人と永瀬さんが、そっと微笑む
大丈夫。そんな声が聞こえそうな表情で、
ふたりがそっと、私たちから離れていく
あっという間に、ふたりきり。
いつぶりだろう、こんなの。
「………Aちゃん、俺、えと、」
私の席のすぐ脇、もじもじと居づらそうな岸さん
どうしよう、あなたが居る。
今、私の目の前に。
『………ここ、座りますか、』
「………ごめん、座るわ」
私の向かいの椅子
促せば、そっと腰を下ろしたあなた
ほろ苦い香りが、漂ってくる
泣きたくなってしまう。やっぱり、あなたが居る
『………ここで、働いてたんですか、』
「……そう、働いてるっつうか、ここが俺の店で。ケーキとかも、作ってる」
恐る恐る話を始めた私たち
でもあなたの話は、少し私の記憶と合わなかった
『………でも岸さん、バリスタなのにケーキ、作るんですか、』
あなたがケーキを作るなんて話、聞いたことがない
まだ目を合わせると震えてしまうけど、
勇気を出して見上げた、あなたのこと。
また、目と目が合う。
「………いや、そうだったんだけど、さ」
熱い目を、している
そんなあなたの目、今まで見たことなかった。
熱が、心が、伝わる
「………ごめん、Aちゃん。」
目の前に、あなたが居る。
「あの日急に、なんにも説明せずに居なくなったりして。」
あなただ。ずっと想ってきた、あなただ。
岸さんの言葉が、ひとつひとつ心に刺さる
何も言えず、ただ何も言えず、
「もう俺のことなんて嫌いかもしんない、けど、」
「………Aちゃんに、俺の話を聴いてほしい。」
そう言われて、ずっとしまっていた想いが呼び起こされる
大好きな気持ち、別れの痛み
すべてを失った時の、あの虚しさ。
小さく頷くと同時に、
私の涙が、頰を伝った。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
