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なんとなく、嫌な予感がした。
言いにくそうな、永瀬さん
『………言わないとまずいこと、ですか、』
「そう。ただ……どうやろな。」
彼は私から目を逸らして、ポケットに手を突っ込む
考え込むような表情、張り詰める空気
あの頃の話を、されるような気がした。
前の関係に戻れた私たち
そんな中、彼がこんなに言いにくそうにしているなら、
多分、あの人の話だ。
『………永瀬さん』
「……、」
『あの頃の話、ですか？』
ねえどうして
どうして今でも、私の声は震えてしまうのだろう。
戻ってきた、永瀬さんの視線
彼は質問に答えず、そっと微笑んだ
「……まだ覚えとるんや、あの人のこと。」
なんて。そんなの、
『………そんなの、当たり前じゃないですか、』
あれは、私の人生において、最初で最後の恋
簡単に忘れることなんてできない
簡単に諦めることなんて、できない。
今でもまだ、
私は、きっと。
泣き出しそうな私の顔を見て、そっか、と呟く永瀬さん
「海人」
「なんだ〜廉」
永瀬さんの声に、海人が寄ってくる
目を合わせるふたり
「もうええかな。」
「うん。いいと思う、俺行ってくんね」
「おん、頼んだ」
微笑んで、裏へと入っていく海人
なんだろう、そう思っていると、
永瀬さんがもう一度、私に向き直る
「Aすまん。これ実は、俺の作ったケーキじゃない」
『え？』
思わず、ケーキに視線を戻した
この味、永瀬さんのもの、じゃないのか。
「うちの店長が作ってんねん、それ。今海人が連れてくるから」
『え、いいですよ、そんな、』
店長さん、忙しいだろうに。
そんな焦る私の声を遮るように、裏から
誰かの背中を押しながら出てくる、海人
「ほら！もうなに怖がってんだよ、ねえ！」
「いや、普通に出て行きにくいだろ、ってかそんな押すなってマジで！海人！」
懐かしい、声。
漂う、ほろ苦い香り。
永瀬さんが、私をきらりと見下ろす
まさか、
海人に押されて、うつむいたまま、
私の目の前までやってくるその人
「はい！この人がうちの店長で、チェリー・ブーケ作った人。」
海人が、言う
あなたが、顔を上げる
「………久しぶり、Aちゃん」
岸さんが、そこに居た。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
