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しばらく待っていれば、
海人がケーキとお茶を持ってきてくれる
「おまたせ〜」
『本当においしそうだね、ありがとう』
「ほんとにおいしいよ！自信ありすぎる、これに関しては」
いつもそう言われてる気がするけどな、なんて、
そんなことを思いながらもう一度、タルトを見つめる
「あ、ごめん。ちょっと他のお客さん対応してくんね。ゆっくりしてて！」
『うん、いただくね』
海人がパタパタと、遠ざかって行く
周りに人がいなくなって、少しの静けさが私を包み込む
目の前の輝くスイーツと、私。ふたりきり。
嬉しいなぁ、大好きなお店で、
大好きなケーキが、食べられるなんて。
『………いただきます』
小さく手を合わせ、ぱくりとひと口。
途端、口の中に溢れた甘酸っぱさと爽やかさに、
すべての意識が、持っていかれた。
…………おいしい。
今まで食べたケーキの中で、1番おいしい。
止まらないフォーク、どきどきと弾む胸
誰にも急かされていないのに、焦るように食べ進める
ひと口ごとに、甘い幸せが私を離さない
幸せだ、と、思わず呟いた。
「…………ねえ、幸せなのに泣いてるの？」
その時聴こえた、海人の声
見上げれば少しだけ、微笑んでいる彼
慌てて頰に這わせれば、涙で濡れた指先
『え、あれ、なんで泣いてるんだろ、』
わからなかった。本当に。
ただこのケーキを味わえば味わうだけ、
切なくなって、懐かしくなる
何かが、懐かしかった。
『………でも本当に、本当においしいよ、』
泣くなんて、変だよね。
海人に慌てて、笑顔を向けた、
その時、
「…………まあうまいもんな、そのタルト。」
と、突然聴こえた、誰かの声。
「懐かしい味するんちゃう？やっぱ。」
続く言葉
まさか。そう思って振り返ると、
そこに、
『………永瀬さん、？』
「久しぶりやな、A。」
エプロン姿の、永瀬さんが居た。
海人が、近くで嬉しそうに私たちを見守っている
永瀬さんは誇らしそうな表情で、私に近付いてきた
「な？うまいやろ。Aの大好物。」
『………なんで、それを、』
「さぁ、なんでやろな？」
このさくらんぼのタルトは、
永瀬さんの、作品だったのか。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
