102 ページ4
・
数日後、大学にいた私のケータイに、
永瀬さんからメッセージが届いた
「今日店来れたりしない？」
その一文を見て、やっぱり考えたのは岸さんのこと
ちょっとだけ迷って。どう返そうか悩んでいると、
もうふたつ、メッセージが送られてきた
「今日俺フルーツタルト作った。」
「Aさんに、めちゃくちゃ食べてもらいたい」
フルーツタルト、
永瀬さんの作るのなんて、美味しいに決まってる
もし居ても、岸さんとは話さなくてもいいよね。
ケータイに急いで、文字を打ち込む
『食べたいです、行きます』
「お、よかった、待っとるわ」
すぐに返ってくる返信
なんだか不思議な気持ちになりながら、
私は放課後、クラウンに行くことを決めた。
・
「おー来た来た、いらっしゃい」
『こんにちは』
「久しぶりやね、なんか。こうやってお店来てもらうの」
授業のあとクラウンに行くと、
出迎えてくれたのは、思った通り永瀬さん。
そのまますぐに席に案内されて、
彼がまた、嬉しそうに微笑んだ
「フルーツタルト、すぐ持ってきていい？」
『もちろんです、お願いします』
「わかった、ちょっと待っとって。」
永瀬さんが、裏へと入っていく
こっそり奥の方に目を向けてみれば、
岸さんが、マスターらしき人と話しているのが見えた
私が来たの、気がついてるのかな。
「お待たせ、持ってきたよー」
その時、私の視界を遮るように現れた永瀬さん
目を向ければ、今日も美味しそうな彼の作品。
誇らしそうな永瀬さんが、少しだけ可愛かった。
・
その日、私は永瀬さんとだけ、会話をした
話し相手も、レジも、全部永瀬さん。
私がお店を出る時、彼は扉を開けながら、
「また俺のケーキ食べに来て、ほんまに。」
と、優しく声をかけてくれた
『はい、また来ますね』
「おん、俺もまた連絡するわ。」
私の方も、明るい気持ちで頷く
するとその時、慌てたような足音が聞こえて、
奥から突然、岸さんが顔を出した
「やっぱAちゃんじゃん！！え、いつ来てたの？？」
その時、永瀬さんの視線が、すっと冷えて、
そっと、私の背中をその手で押す
「………じゃね、Aさん」
『、はい』
岸さんと、最後に一瞬だけ、
視線が交わったような、気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 486人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
