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大学、4年生。
本格的に始まった就活は、
私の心をもっと、忙しなく急かす
「この前面接行ったんだけどさ〜」
「私そういえば一個内定もらったんだよね」
よく海人と訪れた学生ラウンジにひとりでいると、
もう、そんな声ばかりを耳が拾うようになっていた。
岸さんのことを忘れようと。
なるべくなら考えないようにしようと。
私は就活に、かなり本気で取り組んでいて。
選考も少しずつ受けはじめ、
何回か面接も面談もして、忙しく、
ただ忙しく、動き続ける日々。
もちろん、すべてを忘れられるわけじゃない
もちろん、苦い初恋がなかったことになるわけじゃない
それでもそうしていないと、
ずっと何かをしていないと、
どっぷりと真っ黒な海に、はまってしまいそうだった。
そんな中、
『今日、この後行きます』
永瀬さんには、たまにそうやって連絡をしていた。
「お、よかったー。フルーツタルトあと1個」
『それ、取っておいてください』
「言われなくてももうとっといてるよー」
そこまでのやり取りを確認してから、
また視線を、目の前の企業の資料に戻す
あなたと一緒に居たあの季節たちが、
どんどんと過去に、記憶になっていく。
信じたくない、受け入れたくないけど、
岸さんはもう、ここには居ない。
ふとした瞬間に、溢れそうになる涙は、
一体今日までで何回、呑み込んだのだろうか。
『こんばんは、』
「いらっしゃい。今日も遅くまでおつかれさん」
日が暮れて、また夜が訪れる頃、
私は重い荷物を背負ったまま、クラウンに入り込む
永瀬さんは穏やかで、いつだってまるで、
私の心をすべてわかっているような雰囲気を、漂わせていた。
「今日は何してたん」
『ちょっとだけもう一度、企業研究を』
「お、えらい。すげえなぁ、」
静かな店内に、永瀬さんの軽い声がよく響く
「……………そういや海人、あいつも就活頑張ってんのかな。」
その時唐突に聞こえてきたその名前に、
思わず小さく、肩が震えた。
「会ってないなー海人にも最近」
『そう、ですよね、』
「…………なぁ。元気なんかな、みんな。それぞれのとこで」
永瀬さんの声は、
私の心と同じくらい、寂しそうに聞こえた。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
