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永瀬さんに言われた言葉と、私の迷い。
そのふたつにとらわれて、
私はだんだんと、まっすぐな気持ちを見失っていた
クラウンにも、行きたくなくて。
大学と家を、往復するだけの毎日
何もかも味気なく、それでいて今日も、空は晴れている
世界がまるで、私を嘲笑っているみたいだった。
そんなある日、それでもなんとなくあなたが気になって
大学からの帰り道、クラウンの方へと向かう
だんだんとお店に近付いてくる
やがて、コーヒーの苦い香りが漂い始める
だけどやっぱり、お店の目の前まで行くと、
岸さんとあの女の人の関係を思い出して、
扉を開ける勇気が、失せてしまった。
やっぱりだめだ、
お店の中を、覗くほどの余裕もない
私はそのまま、視線を冷たい地面に落とし、
逃げるようにクラウンの前を後にした
そのまましばらく商店街を歩いていくと、突然、
「Aさん、！」
と、後ろから、私を呼ぶ軽い声
びっくりして、慌てて振り返った先に、
息を切らしてこちらに走ってくる、永瀬さん。
岸さんとの出会いの瞬間を、嫌でも思い出した。
『永瀬さん、』
「はぁ、間に合った。さっきお店来とったやん、なんで帰んの？」
そう言いながら私の元に駆け寄ってくる彼は、
なんとなく、いつもよりも澄んだ目をしている
『………ちょっと、気が変わって。』
「そうなん？来るかなーと思って、俺待ってたんやけど。」
『それは、すみません、』
慌てて謝った私に、永瀬さんはちょっとだけ笑った
「別にいいけど、今こうして会えたし。すまん、意地悪なこと言うてもうて」
『いえ、』
永瀬さんがまた一歩、私に近付く
なんだろう。そう思って思わず見上げると、
その澄んだ瞳が、私をまっすぐに見ていた
「………ちょっとさ、もらってほしいもん、あんねんけど。」
『………私に、ですか？』
「いや、今他に誰がおんねん。」
永瀬さんが、笑う
また謝りそうになった私の目の前に、
彼は突然、小さな紙切れを差し出した。
「………これ、俺の連絡先なんやけど。」
「いつでもなんか、困ったこととかあったら連絡して」
今度は、あなたに連絡先を渡した時のことを、思い出す
私は恐る恐る、それを手に取った
永瀬さんが、優しく微笑む
そんな顔、初めて見た。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
