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夜、岸さんとここへ来てはじめての電話をすることになった
暗い部屋の中、ひとりで着信を待つ時間は、
重苦しくて、だけどどこかときめいていて。
突然、明るくなったケータイの画面を、
震える指で、タップするしかなかった。
『………もしもし、』
「もしもし？岸です！」
『………Aです』
電話の向こう側から、聞こえる声
それは明るくて、なんだか少しだけ泣きたくなる
「時間、まだ大丈夫？」
『………平気です』
「よかった！最近話し足りねーなーって思って！」
あなたはいつだって眩しかったよね。
行動ひとつひとつ、言葉ひとつひとつが、
本当に、私にとっては眩しかった。
『そうですか、』
「そう、だから電話できてよかった。つか電話、初めてじゃない？俺ら」
『うん、初めてです。』
「だよね？？もう結構長いから、勝手にした気になってたわ！！」
岸さんのその言葉に、胸が痛くなる
長い、って、私たちやっぱり付き合ってるんだ。
嬉しいけど、嬉しいけど、
それならどうして、って。思う気持ちも大きくて。
岸さんと付き合ってる、って、
胸を張って言えなくなっている自分に気がつく。
「………あれ？Aちゃーん？寝た？」
『…………起きてます』
「うお！よかった〜マジ焦った」
岸さんは今夜、
どうして私に電話したかったんだろう。
なんとか会話を繋げようとするその声を聴きながら、
そんなことを、考えた。
「………あの、廉のケーキ、さ、」
その時、岸さんの声のトーンが落ちる
息が詰まって、私も耳を傾ける
『、はい』
「………うまいよね。」
『………、』
「いっつも程よい甘さで。Aちゃん、廉のケーキ好き？」
………何が、言いたいのかな。
岸さんの、言葉の意図がわからなくて
私はあっという間に、卑屈な考え方をしてしまった。
甘いのしか食べれない子、って
コーヒーは飲めないで、ケーキしか食べれない子、って
私のこと、また子どもだって思ったの？
「………Aちゃん？眠い？」
『………ごめんなさい、子どもで』
「………え？いや、俺そんなこと思ってないよ？」
『、そんなの嘘、』
「あ、ごめ、今なんつった？よく聞こえなくて」
岸さん、私はあなたがわからない。
『………なんでもないです』
「え、そう？」
本当に、わからないよ。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
