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次の講習の日
君と顔を合わせるのが少し、気まずかった。
「………おはよ、今日も来んの早いな。」
「………うん、おはよう、」
それでも、その瞬間はやってくる
君は教室に入ってきて真っ先に私に挨拶をし、
複雑そうな顔でどかりと椅子に腰を下ろした
不意に訪れる沈黙
私たちはきっとお互いに、この前のことを思い出していたんだと思う
嫌悪感丸出しに私を見つめた、
あの、野球部員の表情を。
「………なぁ、あのさ。俺、君に聞きたいことあるんやけど、」
切なげな視線を滑らせ、やっと私にそう切り出した君の言葉は、
ちょうどその時教室に入ってきた先生に、かき消されてしまった。
・
授業が、終わる。
いそいそと帰る支度を始める生徒たち
私もそれに倣って机を片付けるけれど、
となりの君は、いつまでも私を見つめたまま
「………帰らないの？」
「いや、聴きたいんやけどさ。」
君の表情は、授業の初めから何も変わっていない
何か苦しい感情に、歪んだ瞳
「………うん、なに？」
「………なんで君、嫌われてるん？」
その言葉は、私の思考回路を凍りつかせるには、充分すぎるほどだった。
「………いや、この前、野球部のヤツにめちゃくちゃ嫌がられてたやん。」
「それに………なんか常にひとりでおるし。」
だんだんと体温が熱くなってくるのがわかる
ぎゅっと拳を握りしめる
そんなの、私だって知りたいよ。
私があなたたちに何をした？って。
ずっとずっと、ひとりで思ってきたんだよ。
「………なんでいっつも、ひとりなん？」
耐えきれなくなって、睨みつけた先、
君の表情は、本当に苦しそうだった。
「………君みたいな人には、わかるはずないよ。」
「………え、いや、なんなん？急に。俺はただ、」
「ただ、何？どうせ私の気持ちなんか、」
君と私の世界は、決して交わらない。
「君みたいに人気者で、なんでも周りにある人には、」
「絶対に私の気持ちなんか、わかるわけないんだから。」
冷たく吐き出した言葉に、君の瞳が揺れる
何も紡がなくなったその唇
私の中で一番、弱い部分だった。
誰にも踏み込まれたくない、苦しい場所だった。
何も言わない君に背を向け、
熱くなったままの体で、教室をあとにする
この日の出来事はきっと、君と私の初めての喧嘩だった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» zzzさんいつもありがとうございます。今回もお付き合いいただきありがとうございました！ぜひ何回でも読んでみてください！また次回もどうぞよろしくお願いいたします。 (2022年1月25日 10時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。「Rewind」0章 ついに完結で、またはじめから読みたくなってます。次回はどんな作品と出会えるのか、楽しみにしてますね。 (2022年1月24日 19時) (レス) @page32 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» ZZZさん。いつもありがとうございます！また読み直してみるといろいろと見えてくるものがあったりするかもしれません。ぜひ、お話は逃げないので忙しくない時に読みにいらしてくださいね！今年は大変お世話になりました。良いお年をお迎えください！ (2021年12月31日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。過去編をみて切なくなってる私です。そっか、こんな寂しさを抱えていたなんて…。も少し先まで読んでから読み直すか！今すぐみるか‼️年末年始の料理はじめるか？真剣に悩んでます。 (2021年12月29日 12時) (レス) @page11 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さやさん» はじめまして！コメントありがとうございます。楽しみにしてくださっていたなんてとても嬉しいです！ゆっくりですがきちんと進めていきますので、どうぞよろしければ最後までお付き合いくださいね。ありがとうございます^^ (2021年12月22日 19時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年12月18日 16時
