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「A、！」
校舎をあっという間に出て、しばらく歩いた先
後ろから、君の声が私の名前を呼んだ。
思わず止まる、足の動き
ゆっくりと振り向いた先、熱い陽射しが降り注ぐ中、
大好きな君が、私に駆け寄ってくるのが見えた
「廉、こっち来ないで、」
慌てて絞り出した声が震えていて、自分でも驚く
「また見られちゃうでしょ、」
「そんなんもう関係ない。俺も自分の意思で来とるし」
「でも、廉が嫌な思いするんだよ、？」
「は？忘れたん？俺お前に伝えたいことある言うたやろ。」
突然、きつくなる廉の口調
それにまた驚いて、私はカバンをぎゅっと握りしめる
心臓が胸の中で暴れて、落ち着かない
その先を聞いてしまったら、もう戻れない
君が、欲しくなってしまう。
君が、傷付いてしまうかもしれないのに。
車通りの多い、交差点
歩行者たちの中に、せつなさんがいないとは限らない。
見ている人がいないとは、限らない。
それでも廉は、車が行き交う音に負けじと、
声を大きくして、私にまっすぐに伝えようとしてくる
「A、聴いてほしい。」
「やだ、聴きたくない、言わないで。」
好き。好きだよ、君が。
だけど私といない方が、君は絶対幸せだよ。
「俺、ずっとAが、」
「やめてってば！ほんとにやめて、お願い、」
ふらりと後退り、君から遠ざかろうとすると、
その瞬間、
「っ、まっ、A！！危ない！！！！」
廉が急に、私の腕をきつく引っ張りながら抱きしめ、
そのまま道に倒れ込む。
だけど。
ドカン、と嫌な音がして、
信じられないくらいの強い痛みが、頭に響いた
目の前が、暗くなる
「………おい、事故だ、事故！！救急車を！！」
遠くに聞こえる、誰かの声
全身で感じる、廉の暖かい温もり
そして、
「………A、」
耳元で囁かれた、私の名前。
弱々しく私を呼んだ、その廉の腕が、
だらりと、離れていく
ねえ廉、行かないで。
温もりを失い、冷えていく世界
鋭い頭の痛みに、見えなくなっていく視界
廉、私ね、本当は
聞こえなくなっていく周りの音
遠ざかっていく君の気配
私はそのまま、
真っ暗な世界に、意識を手放した。
ーーーーー
Rewind 終
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詩愛(プロフ) - zzzさん» zzzさんいつもありがとうございます。今回もお付き合いいただきありがとうございました！ぜひ何回でも読んでみてください！また次回もどうぞよろしくお願いいたします。 (2022年1月25日 10時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。「Rewind」0章 ついに完結で、またはじめから読みたくなってます。次回はどんな作品と出会えるのか、楽しみにしてますね。 (2022年1月24日 19時) (レス) @page32 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» ZZZさん。いつもありがとうございます！また読み直してみるといろいろと見えてくるものがあったりするかもしれません。ぜひ、お話は逃げないので忙しくない時に読みにいらしてくださいね！今年は大変お世話になりました。良いお年をお迎えください！ (2021年12月31日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。過去編をみて切なくなってる私です。そっか、こんな寂しさを抱えていたなんて…。も少し先まで読んでから読み直すか！今すぐみるか‼️年末年始の料理はじめるか？真剣に悩んでます。 (2021年12月29日 12時) (レス) @page11 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さやさん» はじめまして！コメントありがとうございます。楽しみにしてくださっていたなんてとても嬉しいです！ゆっくりですがきちんと進めていきますので、どうぞよろしければ最後までお付き合いくださいね。ありがとうございます^^ (2021年12月22日 19時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年12月18日 16時
