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「…………ごめん、やっぱりなんでもない、」
君を目の前にして、
自らその世界をぶち壊そうとした自分が、怖くなる
ぷつりと小さく、そう呟いた私を、
「なぁ、待てって。」
君の声が、大好きな君の声が
そっと。ただそっと包み込んでくれた
「言おうとしたこと、最後まで聴かして。A。」
だけど、だけどね廉。
それだけは絶対に、できないよ。
君が、好きだ。
だからなおさら、気持ちを伝えるなんてことはできない。
もし、それをしたことによって、
君の居場所を、世界を、
すべてこの手で壊してしまうかもしれないと思うと
私はむしろ、この想いを消してしまう方が、
幸せで、楽で、
1番綺麗な、選択だと思うから。
「………じゃあ私、帰るね、」
「待って、ほんまに、」
その時、くるりと方向を変えた私の腕を、
君の熱い指が、ぎゅっと握りしめたから、
ハッとして思わず、足を止めてしまった。
触れ合っている、肌と肌
少ししか接していないはずなのに、ジリジリと焼けている
どくりと脈が動いて、それに急かされるように、
私は君の瞳を、ゆっくりと見上げた
ねえ、どうして、
君まで、泣きそうなの。
「………A、聴いてほしい。」
君は、優しいから。
「………俺も、俺もほんまはAのこと、」
いつでも本当のことを、言ってくれていたよね。
だけどやっぱり、
「言わないで、廉。」
優しさだけでは、この世界は回らない。
君の顔が、歪む
私はずっと。ただずっと苦しかった
そんな私と一緒になることで、
君までこの苦しさを被るのは、嫌だったから。
わかってね、廉。
私はただ君を、守りたかっただけなの。
そっと振り解けば、ふらりと行き場を失うその指先
最後に見た君の表情が、痛くて、苦しい
「………じゃあまた、講習で。」
私の言葉に、君はもう返事をしなかった
そのまま私が背を向けても、歩き出しても
何も言葉を発さず、ただそこに立ち尽くしていた
廉の気持ちは、知りたくない。
多分、知ってしまったら今度こそ本当に、
戻れなくなってしまう。欲しくなってしまう。
君のすべてを。
存在も、となりも、何もかも。
夏の一コマ、
夕日がとても、綺麗な日だった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» zzzさんいつもありがとうございます。今回もお付き合いいただきありがとうございました！ぜひ何回でも読んでみてください！また次回もどうぞよろしくお願いいたします。 (2022年1月25日 10時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。「Rewind」0章 ついに完結で、またはじめから読みたくなってます。次回はどんな作品と出会えるのか、楽しみにしてますね。 (2022年1月24日 19時) (レス) @page32 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» ZZZさん。いつもありがとうございます！また読み直してみるといろいろと見えてくるものがあったりするかもしれません。ぜひ、お話は逃げないので忙しくない時に読みにいらしてくださいね！今年は大変お世話になりました。良いお年をお迎えください！ (2021年12月31日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。過去編をみて切なくなってる私です。そっか、こんな寂しさを抱えていたなんて…。も少し先まで読んでから読み直すか！今すぐみるか‼️年末年始の料理はじめるか？真剣に悩んでます。 (2021年12月29日 12時) (レス) @page11 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さやさん» はじめまして！コメントありがとうございます。楽しみにしてくださっていたなんてとても嬉しいです！ゆっくりですがきちんと進めていきますので、どうぞよろしければ最後までお付き合いくださいね。ありがとうございます^^ (2021年12月22日 19時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年12月18日 16時
