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そうやって、私はこれから先も
誰にも秘密で、ふたりでいられるのかな、なんて思っていた。
そんなある日、いつものように休み時間
私はひとりで、階段をのぼり終える
上り切った先の、屋上への扉
何も迷わずに開けた瞬間、君の話し声が聞こえてきた
「だから、なんもないんやって。特に深い意味とか」
「はぁ、またそう言って。廉の嘘なんかすぐにわかるよ。」
君が、誰かといる。
そのことに気がついた時には、もう遅かった。
屋上には君と、あの″せつなさん″が居た。
たった今姿を見せた私に、ふたり分の視線が突き刺さる
せつなさんは私を見るなり、
思いっきり、顔を歪ませた。
「ほら、今の廉の言葉、嘘じゃん。どういうこと？」
私も、君も、答えられない。
廉と一瞬目が合って、すぐにそらされた
「最近ふらふらどっか行きがちだなぁって、ついてきてみたらこれ。この子の相手なんかしてたんだ」
「なぁ、せつな待てって、」
「ねえあんたさ。」
何かを言おうとした廉の言葉を遮って、
せつなさんが私を鋭く睨む
それが痛くて、消えてなくなってしまいたくなる
「廉に、変に取り入らないでくれる？廉だって迷惑してんの。」
「待てって、ほんまに俺は、」
「廉もいちいちこの子の呼び出しに応じなくていいんだから。行くよ。」
私の目の前で、半ば強引に繋がれる君の手
引っ張られてよろけたその肩が、彼女の肩とぶつかる
それでも必死にここに留まろうとした君に、
私はいつかのようにまた、首を横に振った。
やっぱり、だめなんだよ。
私たちは同じ人間だけれど、似ているけれど、
それでもまだ、世界が大きく違ったみたい。
廉の瞳に絶望の色が浮かぶ
すまん、と、そんな言葉がこぼれ落ちてきそうな唇
そうじゃないよ、廉。
廉は、何も悪くない
環境とか周りの目って、今の私たちには何よりも大事で
それに縛られて生きてしまうのは、しょうがないことだよ。
私も、そのせいで勇気が出ないんだから。
同じだよ、君と。
私を見たままの廉が、屋上から腕を引かれていなくなってしまう
ぼんやりとそれを見送って、私はまた、ひとりになる
見上げた空は少しだけ曇っていて、だけど空気は清々しかった
結局私は、まだ弱くて窮屈なままだ。
取り残されてひとり、新しい空気を吸い込む
涙すら、出なかった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» zzzさんいつもありがとうございます。今回もお付き合いいただきありがとうございました！ぜひ何回でも読んでみてください！また次回もどうぞよろしくお願いいたします。 (2022年1月25日 10時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。「Rewind」0章 ついに完結で、またはじめから読みたくなってます。次回はどんな作品と出会えるのか、楽しみにしてますね。 (2022年1月24日 19時) (レス) @page32 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» ZZZさん。いつもありがとうございます！また読み直してみるといろいろと見えてくるものがあったりするかもしれません。ぜひ、お話は逃げないので忙しくない時に読みにいらしてくださいね！今年は大変お世話になりました。良いお年をお迎えください！ (2021年12月31日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - ZZZです。過去編をみて切なくなってる私です。そっか、こんな寂しさを抱えていたなんて…。も少し先まで読んでから読み直すか！今すぐみるか‼️年末年始の料理はじめるか？真剣に悩んでます。 (2021年12月29日 12時) (レス) @page11 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さやさん» はじめまして！コメントありがとうございます。楽しみにしてくださっていたなんてとても嬉しいです！ゆっくりですがきちんと進めていきますので、どうぞよろしければ最後までお付き合いくださいね。ありがとうございます^^ (2021年12月22日 19時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年12月18日 16時
