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「………A、お前はな、」
父親がやっと、そしてそっと。その口を開く
「高校でクラスメートたちから、」
「嫌がらせを、受けていたらしいんだ。」
そうして突然告げられた言葉は、
少しも、想像していなかったものだった。
「お前は昔から、物静かな子だった。」
「高校から帰ってくると、お前はいつも憂鬱そうで、私たちは心配していた」
「だけどお前は、クラスで何をしたかとか、こんなことがあったとか。何ひとつ、私たちには話さなかった」
「だけどある日、お前は私たちに、つらい。と、言ってきたんだ」
「………私たちも最初は、何のことかわからなかったわ。だけど少しずつ話を聴いていたら、嫌がらせを受けているっていうことがわかって」
母親も、話し出す。
「それで、夏休みが始まった頃、私たちの判断で引越しと転校を決めたのよ。」
「………そんな矢先だったんだよ、お前が事故に遭ったのは」
苦しそうに、顔を歪める両親
知らなかった、私のこと。
「……じゃあ、私に友達は、」
「Aの口から、一度も友達の話を聴くことは、なかったのよ、」
すっと、心の奥が冷たくなる
そうか、私には、
友達が、いなかったんだ。
「……ごめんなさいね、A。もう少し後に、話そうと思っていたの」
「………ううん、大丈夫、」
ぐらつく視界、またしても重い沈黙が立ち込める
その時、また廉さんのことを思い出した私は、
ふたりになら、言ってもいいかもしれない。そう思って
「……でも私、病院で友達みたいな人、できたの、」
「………廉さん、っていう人。」
君の名前を、また口にした。
すると、
「………やっぱり、永瀬くんと会ってたのね」
なんて、またしても苦しそうに、母親が小さく呟く
父親の方も唇を噛んでいて、
だけど私は、その言い方がとても気になってしまった
「………お母さんたち、廉さんのこと知ってるの？」
「………、」
答えない、嘘が下手な大人たち。
だけど、ここで引くことはできない。
………ねえ、答えてよ。
じっと次の言葉を待っていると、
やがて、その口を開く父親
「……私たちも、詳しくは知らない。」
「彼がAと同じ高校の、生徒さんだった。」
「それしか、私たちにもわからないんだよ」
途端に、ぴきりと痛む頭
思い出せそうで、何も思い出せなかった
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
