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・
廉さんのことを、好きだと思ってしまった。
廉さんのこと、何も知らないのに。
この想いを伝えるには、足りないものだらけだった
・
「なんか今日Aさん、元気なくない？」
「そう見えますか、」
想いを伝えそうになった、その次の日、
中庭に並んで座っていると、廉さんはそんなことを言い出した
「見える。ちゃんと寝たんすか、昨日」
「寝ました、ご飯も食べたし。ただ…」
「うん、ただ？」
心配そうに私の言葉を待つ君
言おうか迷ったけれど、伝えておこうと思って
「……昨日から、頭痛が酷くなってるんです。」
明らかに、ずしりと重くなった頭
小さかった痛みが、じわじわと強くなっている
廉さんが、眉間にシワを寄せた
「昨日？きっかけとか、わからん？」
「よくわからなくて、」
ごめん廉さん、嘘。
私本当は、気がついてる。
廉さんのことを、好きだと思ったあの瞬間
あの瞬間からずっと、頭がすごく痛いの
だけどそんなこと、言えるわけもなくて。
「……大丈夫なん？ちゃんと医者に相談しとる？」
「今夜、しようと思ってます、」
「その方がいいよ、絶対」
そっと近づいた距離、
廉さんの手が伸びてきて、ゆっくりと私の手を握る
「……Aさんが、早く良くなりますように。」
優しく、優しく。
骨まで溶け切ってしまいそうなほど、甘く。
小さく囁いた君と、また目が合った
その途端、また頭に感じる鋭い痛み
思わずぎゅっと目をつぶると、廉さんの声が聞こえる
「Aさん？また痛い？」
「、はい、でも大丈夫」
「……ほんまに？」
「大丈夫です、廉さんは心配しないで」
どうか、笑っていて。私のとなりで。
目を開けて、もう一度君と視線が重なる
不安そうに揺れる瞳に、溺れそうになった
「………廉さんがいるから、私は大丈夫。」
「……そういう問題なん？」
「そうです、廉さんの魔法」
「俺、魔法使いやないんやけど。」
ちょっとだけ、私たちに笑顔が戻って、
可愛く歪んだその目尻に、堕ちていく
だけどね、廉さん。
私は本当に、君の魔法で幸せだったよ。
この色のない世界で、君だけが、
私の希望で、光で、すべてだった。
どこかで会ったような気がして、近寄って。
いつのまにか、こんなに近くに居て。
ここの外、私たちの元の世界が怖くなってしまった、
そんな、夏の日だった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
