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別の日
もしかしたらこれは、反抗心なんていう単純なものではないのかもしれない。
そんなことを思いながら、今日も私はこっそりと、中庭に向かう
私たちは何もわからない
お互いのことも、この状況も、それから外の世界も。
だけどなぜか安心できる空間が、そこにはあって。
「廉さん」
「お、待ってたよ〜」
草の生い茂った一角、ほぼ周りからは見えないベンチに、
今日も君は、座っていた。
急いで駆け寄り、そのとなりに腰を下ろす
「暑いですね、今日も」
「せやな〜、溶けちゃう」
「溶けないですよ、きっと。」
ぼんやりと始まる会話
その空気を楽しんでいると突然、廉さんがくるりと私を振り返った
「なぁAさん」
「、はい」
「……もっかい手、繋ぎません？」
「……え？」
優しい表情で、私の答えを待つ君
かたまる私にフッと笑って、ん、と手を差し出す
「手、繋ご？俺と。」
熱くて、甘くて、心臓が止まりそうになる。
そっと伸ばした腕、導かれるように絡まる指
嬉しそうに口角を持ち上げる君
「………あー、俺、ずっとここでもいいかも。」
恥ずかしくて思わず俯いた私のとなりで、君はぼやっと呟いた
「……えっと、ここ、っていうのは、」
「病院。最初はなんかすげー嫌やったけど、なんか」
君の瞳が、私を見つめる
「こうやって、Aさんにも会えたし。」
そのまま吸い込まれてしまいそうな、愛おしい輝き
「………、」
「いや、無反応が1番キツいんやけど。」
またハハッと軽く笑う廉さん
ごめんね、うまく言えなくて。
だけど私も、
私も。同じ気持ちだよ。
「………この外にもさ、俺らの居場所ってあるんかな。」
「………どうなんでしょうね、」
「信じたくないっすよ俺、ここの外にも世界があるなんて」
廉さんが、どれくらいここにいて、
どれくらいひとりで過ごしてきたのかわからないけれど、
私には少し、彼の気持ちがわかるような気がした。
ふたりで、ただ青空を見上げる時間
こんなにも安心するのは、どうしてだろう。
他人の気がしないのは、どうしてだろう。
こっそり廉さんを盗み見ると、
「あ、やっと目合った。」
なんて、ずっと私を見ていた君
思わず視線を伏せた私に、君はまた、軽く笑った
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
