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廉さんと私の、毎日が始まる。
朝食の時間が終わると、廉さんはいつも、私の部屋にやってきた
「Aさん〜、おはよ」
「廉さん、おはようございます」
こっそりと、私の部屋の中の様子をうかがう廉さん
誰もいないことを確認して、私に手招きをする
廉さんは、私の両親がいない時に、こうして声をかけてくる
いつだったか理由を聞いたら、親との時間は邪魔したくないから。と、はっきりと言われてしまった
「中庭行きません？俺、虫除けスプレーゲットしたんすよね」
「え、ほんとですか？」
「持ってきてもらいました、家の人たちに」
ふたりで、話をしながら病室の外に出る
中庭は私たちのお気に入りの場所だけれど、
夏だからやっぱり、虫がたくさんいて。
刺されて嫌だ、という会話を、この前したばかりだった。
「これでいくらでもいられる〜中庭」
「廉さんも、中庭本当に好きですよね」
「なんかあれやん、ずっと屋内って息詰まりません？」
「すっごいわかります」
「お、やっぱわかってくれた。」
ふたりで、笑い合う時間。
廉さんの笑顔を見ると、またちょっとだけ頭が痛むけど、
最近はもうこれにも慣れてしまって、特に気にかけることもなくなっていた
「私は日焼け止め、持ってます」
「あ、それめちゃくちゃ大事やん！すっかり忘れとった」
「塗ってないんですか？」
「まったく。今思い出しました」
廉さんのちょっとだけ焼けた肌は、
何だか、入院中の患者らしくなかった。
・
私たちは、あまりお互いの話をしない。
自分のことや、家族のこと
歳が近いような気もするけれど、廉さんの正確な年齢も知らない
彼は、なんだか自分の話をするのが嫌みたいで、
少しそういう話題が出そうになると、さっとかわしてしまうことが多かった
私の方は、自分のことについて話せることが何もないから、
そんな廉さんの態度は、むしろ少し好都合だったけれど。
・
「あっちぃ〜。アイス食いたい」
「中、戻ります？」
「ん〜、もうちょいしたら、戻りましょっか」
しばらく中庭で、ふたり肩を並べて座っていると、
廉さんがいつものように、暑い、と声を上げた
私たちの間に、夏の風が吹く。
日差しがジリリと差し、日陰だけど蒸し暑い
私には何もないけれど、いつからだろう。
廉さんといる時間が、とても大切になってしまっていた。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
