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「ほらはよ帰んぞ」
「あ、待ってよ」
ふたりきりの教室
枕にしていた私のカバンを、廉がふわりと持ち上げる
夕日が窓から差し込んで、
私たちの歩く床をオレンジ色に染め、
今日という日の、終わりを告げていた
「それで、先生は廉に何の用だったの？」
「あーなんか、しょーもないことやったわ。」
「なにそれ。それにしては結構長かったね」
先を歩く廉に急いで追いつきながら、
その横顔を見上げてみる
「俺もすぐ終わるんかなって思ってたんやけど、」
「うん」
「なんかいつの間にか、先生の愚痴聞かされとった。」
ハハッと軽く笑う廉の目尻に、可愛いシワが寄った
昔からずっと大好きな、廉の笑った顔。
「ねえ、私結構待ってたんだけど。」
「いやそれはホンマに申し訳ない」
「おかげで寝ちゃったよ？眠かったよ？」
「……あー、寝癖ついとる。」
「え、うそ、」
パッと前髪に手をやると、廉がまた笑う
「はっ、うっそー。」
「え？！なんなの？そういうの本当いらないから！」
「いやAもAやで？なんで毎回引っかかるん、それ」
カラカラ笑いながら、廉が階段を降りていって、
私も慌てて一段飛ばしで駆け降りた
「なんでいっつもそんなに意地悪なの、廉って。」
「は？俺優しいやん」
「それは違うと思う」
私を見下ろしたその瞳が、きらりと光る
それだけで、胸の奥がぎゅっと縮んだ
「………まーでも？俺好きな子にいたずらしたくなるタイプやから。」
なんて言われて、また心が縮んで。
「………いやなんなん？こういうのもそろそろ慣れて？」
「………ねえ慣れろとか無理だよ、毎回どきどきするんだから、」
「ホンマそういうとこよな、可愛いやん。」
またいたずらに微笑んで、私の頭をぽんと叩く君
ふたりで校門を抜ければ、
遠くで夕日が沈んでいくのがよく見えた
そっと繋がれる手
中学生なのにマセてる、とか、思われるかもしれないけど、
私たちだって、もうあと少しで高校生だから。
どんどん加速する想いに、そんな言い訳をして、
君の手をぎゅっと握り返す
「いっつもギュッてするよな、A」
「だめ？」
「別にー。昔っから変わらんなって、思っただけ」
そう言ってまた笑う廉は、
ずっと前から、私の1番、大切な人。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
