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「お邪魔します」
「いらっしゃい〜」
わくわくとした気持ちを詰め込んだままやってきた、紫耀くんの家
ふと窓の外を見れば、だんだんと暗くなってきている
「紫耀くんご飯、準備しよっか。」
「やった、お腹空いてたんだよね。あ、手伝うよ」
小さな台所に、ふたりでぎゅうっとくっついて並ぶ
あったかくて、くすりと笑みが溢れた
「じゃあまず、野菜切ってもらえる？」
「わかった、Aのためにめちゃくちゃ綺麗に切るからね。」
「ふふ、別に適当でいいよ」
紫耀くんが包丁を手に取って野菜を取り出し、さくりと沈ませる
本当に丁寧に切るその姿が、本当に可愛くて。
私も腕をまくって、調理を始めることにした
・
「よしできた、紫耀くん食べよう」
「うわ、今日もめちゃくちゃうまそうだな」
嬉しそうな紫耀くんと一緒に、椅子に座る
ふたりで手を合わせて、いただきます。
うま！って笑ってくれるその笑顔を見ていられること
それが、とっても幸せで。
「いつも美味しいって言ってくれるよね、」
「だってホントなんだもん。」
その頬いっぱいに入ったおかず
モゴモゴと、まるでハムスターみたい。
可愛いなぁ、って。そんなことを思って、視線を落とした
「………そういえば、さ、」
少しの沈黙を突然、紫耀くんが破る
ぱっと顔をあげると、柔らかく私を見つめているその瞳
「さっき岸くんのこと、お兄ちゃんって呼んでたよね。」
「………うん、呼んだ。」
私が頷けば、もっと嬉しそうにあどけない笑顔で笑う紫耀くん
今まで、優太をお兄ちゃんと呼べなかったのに、特に理由はないと思っていた
だけどきっと、どこかであの人をお兄ちゃんと認めたくなかったんだと、今なら思う
ずっと、捨てきれないでいたんだ
私の初めての、恋心を。
だけど、それも今日で終わり
私の前で幸せそうな紫耀くんと、目が合う
嬉しくて、涙が溢れそうになる
「……A」
「うん、」
「俺が絶対、幸せにする。」
迷いなく発されたその言葉は、
いつかの夜を思い出させるほど、熱い
紫耀くん、私あなたに会えて、本当に幸せだよ。
どこまでも深い暗闇に差し込んだ、大切な一筋の光
何度も夜を超え、重なり合った想い
「紫耀くん、大好き。」
「俺もだよ。」
さようなら、私の初恋。
さようなら、優太。
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湊。(プロフ) - 初めまして。感想を書くのが初めてなので上手く伝えられないと思いますが読んでいただけると嬉しいです。しあさんの書く文章が言い回しが本当に好きです。こんな素敵な文を書く人がいるんだ、と本当に感動しました。この物語としあさんに出逢わせてくれてありがとう。 (2023年3月14日 21時) (
レス) @page27 id: 3a1c3da159 (このIDを非表示/違反報告)
如月すい - 完結おめでとうございます。3人の交差する思いに時に涙しながら読ませていただきました！これからも素敵な作品を作ってください❤️ (2022年10月27日 18時) (レス) @page27 id: 76527d2194 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます！素敵な作品にだなんて言っていただけて本当に幸せです、ありがとうございます。ぜひまた読み返してみてください！またよろしくお願いいたします^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - かいとんさん» ありがとうございます！！いろいろな感情になっていただけたみたいで、とっても嬉しいです。これからものんびり頑張りますね！本当にありがとうございました^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - hasさん» はじめまして！いつもお読みいただきありがとうございます！今後もどうぞよろしくお願いいたします。またコメントお待ちしております^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年5月15日 9時
