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時は流れ、あっという間に年度末
春が近付いてきた暖かい自分の部屋で、
出かける支度をしている私
そしてそんな私の周りを、
「あと何持ってくの？」
うろついている、紫耀くん。
「ねえ紫耀くん、座って待ってて？」
「なんでよ！やだよ。」
そんな私たちの様子をリビングから見ている、優太
楽しそうな、その表情
「紫耀さ、お泊まりなんだから自分の家で待ってた方がよくね？」
「そうだよ、別に私のこと迎えに来なくてもよかったのに、」
「早く会いたかったから来たんだけど。ダメだった？」
「……、」
ふわっと笑いながら放たれたあなたのその言葉に、耳が熱くなる
そう、今日は。
紫耀くんのお家にお泊まりをすることになっていた
支度をしていた私のところに、
待ちきれないから、と、転がり込んできた愛しいあなた
嬉しかったけど、どこか恥ずかしくて。
「顔真っ赤じゃん。ホント可愛いな」
「もう、うるさい、紫耀くんそっちで座ってて」
「紫耀怒られてやんのー！！」
「うるさ！ねえA岸くんのことも怒ってよ」
紫耀くんと優太が、ごちゃごちゃと言い合う
その様子が本当に微笑ましくて。
ああなんか、幸せだなぁ、なんて、
自分の心が、また温まるのを感じていた
・
「紫耀くん、支度できたよ」
「あ、終わった？じゃあ、行こっか」
やっと最後の荷物をカバンに入れて、紫耀くんに声をかける
おっ、となぜか優太まで反応して、それすらおかしい
「岸くん、じゃあしばらく妹さんお預かりしまーす」
「頼んだぞ紫耀！！」
紫耀くんの言葉にくしゃっと笑って、私に手を振る彼
じっとその顔を見ていると、目が合った
「……あ、Aの飯食えないのは寂しいけど、俺はなんとかすっから！！」
「……あ、うん。ちゃんと食べてね」
「心配しなくていいって！大丈夫」
「岸くんありがと。ほら、行こうA」
大丈夫。そう言った彼の笑顔が、とても。
とっても、頼もしくて。
「お邪魔しましたー、岸くんまたね」
「おう！また来てよ！！」
日が落ち始めた街に向かって、紫耀くんがドアを開ける
私は靴を履いて、最後にもう一度、手を振り続けている彼を振り返った
「……いってら！A！！」
眩しくて、昔とは少し違う、大好きな気持ち。
「……いってきます、お兄ちゃん」
初めてあなたを、″お兄ちゃん″と呼べた。
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湊。(プロフ) - 初めまして。感想を書くのが初めてなので上手く伝えられないと思いますが読んでいただけると嬉しいです。しあさんの書く文章が言い回しが本当に好きです。こんな素敵な文を書く人がいるんだ、と本当に感動しました。この物語としあさんに出逢わせてくれてありがとう。 (2023年3月14日 21時) (
レス) @page27 id: 3a1c3da159 (このIDを非表示/違反報告)
如月すい - 完結おめでとうございます。3人の交差する思いに時に涙しながら読ませていただきました！これからも素敵な作品を作ってください❤️ (2022年10月27日 18時) (レス) @page27 id: 76527d2194 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます！素敵な作品にだなんて言っていただけて本当に幸せです、ありがとうございます。ぜひまた読み返してみてください！またよろしくお願いいたします^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - かいとんさん» ありがとうございます！！いろいろな感情になっていただけたみたいで、とっても嬉しいです。これからものんびり頑張りますね！本当にありがとうございました^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - hasさん» はじめまして！いつもお読みいただきありがとうございます！今後もどうぞよろしくお願いいたします。またコメントお待ちしております^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年5月15日 9時
