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太陽が、沈む。
私たちはまた、ふたりきりで夜を迎えた
ぺたりと合わさる肌の音
耳元に響く息遣い
熱のこもった、平野さんの瞳
そして暗い部屋の中、窓から差し込む月の光。
微かに見えるあなたの表情は、
とても儚く、美しかった。
「………ねえ、呼んで。俺の名前、」
優しく、だけど激しく
私にたくさんの愛をぶつけながら、あなたはそんなことを言う
「………紫耀、くん、」
その愛を全身で受けながら、震える声であなたを呼んだ
ぎゅうっと全身が締まる
あなたから吐息が漏れる
「………やべ、ホントにやばいかも、」
苦しそうにささやく平野さん
また、吸い寄せられるように重なった唇
何度目かわからないその感覚に、
全身の力が、抜けていく。
あなたに、すべてを委ねた。
「………ねえ、好きだよ、」
揺れる瞳で私を見つめながら、
平野さんはこの夜に深く、深く身を沈める
どうしようもなくて、
ただ目の前の感情と熱に、私もひたすら溺れていく
「……私も、好き、」
いつもそばにいてくれるあなたが、
私の心を溶かしてくれるあなたが、
優しく、まっすぐに見つめてくれるあなたが、
好き。
もうきっと、どこにも戻れない
戻る必要もない
深まる夜に、あなたの感触をしっかり刻み込み、
あなたで染まった私は、
自分からそっと、唇を寄せた。
・
「……ごめん、また夜遅くなっちゃった」
熱っぽい身体のまま、乱れた服を整える
私の帰る時間を心配しているあなたは、寂しそうだった
「駅まで送るよ、外暗いし」
「そんなに遠くないから大丈夫、心配しないで」
これ以上一緒にいたら、止まらなくなりそうだから。
だから、頷けなかった。
「………そっか、わかった。気をつけてね」
「ありがとう」
あなたの家の玄関で、そっと視線が交わる
まだメラメラと燃えているその瞳に、どきりとした
「………おやすみなさい、お邪魔しました、」
「おやすみ。またね」
・
駅に向かって歩きながら取り出したケータイ
表示された優太からのメッセージが、目に飛び込む
「また紫耀のとこ？終電までには帰れよ！！」
届いていたのは、1時間前
全然、気がつかなかった。
思い出す視線、感触
たかぶる、感情
今夜の私は、優太のことなんて忘れ、
ただ目の前のあなたに、溺れていたんだ。
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湊。(プロフ) - 初めまして。感想を書くのが初めてなので上手く伝えられないと思いますが読んでいただけると嬉しいです。しあさんの書く文章が言い回しが本当に好きです。こんな素敵な文を書く人がいるんだ、と本当に感動しました。この物語としあさんに出逢わせてくれてありがとう。 (2023年3月14日 21時) (
レス) @page27 id: 3a1c3da159 (このIDを非表示/違反報告)
如月すい - 完結おめでとうございます。3人の交差する思いに時に涙しながら読ませていただきました！これからも素敵な作品を作ってください❤️ (2022年10月27日 18時) (レス) @page27 id: 76527d2194 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます！素敵な作品にだなんて言っていただけて本当に幸せです、ありがとうございます。ぜひまた読み返してみてください！またよろしくお願いいたします^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - かいとんさん» ありがとうございます！！いろいろな感情になっていただけたみたいで、とっても嬉しいです。これからものんびり頑張りますね！本当にありがとうございました^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - hasさん» はじめまして！いつもお読みいただきありがとうございます！今後もどうぞよろしくお願いいたします。またコメントお待ちしております^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年5月15日 9時
