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・
紫耀くんの様子が、おかしい。
そこから数日間、またあなたからの連絡はなかった
優太に聞いても、わからないと言われるだけ
最後の記憶は、あの夜、
″Aは、俺と居て幸せ？″
弱々しい声でこぼした、小さな言葉。
あれはどんな意味だったのか、
どんな気持ちが込められていたのか、
考えても考えても、うまく答えが出てこない
紫耀くん、あなたは今
何を想って、いるんですか。
会えなくて、会いたくて
あなたのいない夜を、何度も越えて。
そして優太がアルバイトに出かけたある夜、
たまらなくて、私は紫耀くんに電話をかけた
「もしもし紫耀くん」
「………うん、」
「ちゃんと話そう。今優太いないの、だから、」
どうか、
「………だからね、」
「わかったよ、A」
「………、」
「今から行くから。待ってて」
どうかこの手を、
離さないでください。
・
数十分後、インターホンがなる
玄関のドアを開ければ、
その瞳に悲痛な色を浮かべた、あなた
流れるように靴を脱いで、廊下を通り越して、
リビングに足を踏み入れた瞬間、
あなたはぎゅっと、私との距離を壊す
瞬きをする間に奪われた、唇の熱
思わず見上げたあなたの瞳には、
「………ねえ紫耀くん、」
「どうして、泣いてるの、」
溢れそうな涙が、膜を張っていた
わけもわからないまま、その涙を拭う私
だけど拭っても拭っても、
溢れ落ち続ける涙は、終わりを知らない
「紫耀くんどうしたの、言って。」
「………、」
「秘密にしないで。つらいことがあるなら教えて」
あなたのそんなつらそうな顔、見たくない。
だけど紫耀くんは、泣き続ける
顔を歪めて、ただただ私だけを見つめている
その指がそっと、私の髪の毛に触れて
ゆっくりと心が、締め付けられる
優しい指先がまた、私を切なくさせて
私も、目の前のあなたを見つめるだけ
紫耀くんの言葉を、ゆっくりと待った
「………ねえ、もしさ、」
震えながらもやっと耳に届く、大好きな声
だけど、その唇が紡いだ言葉は、
「………もし岸くんとAが、」
・
「………血の繋がった兄妹じゃないって知ったら、Aは、どうする？」
・
私の心を、
ぐちゃぐちゃに、掻き乱した。
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湊。(プロフ) - 初めまして。感想を書くのが初めてなので上手く伝えられないと思いますが読んでいただけると嬉しいです。しあさんの書く文章が言い回しが本当に好きです。こんな素敵な文を書く人がいるんだ、と本当に感動しました。この物語としあさんに出逢わせてくれてありがとう。 (2023年3月14日 21時) (
レス) @page27 id: 3a1c3da159 (このIDを非表示/違反報告)
如月すい - 完結おめでとうございます。3人の交差する思いに時に涙しながら読ませていただきました！これからも素敵な作品を作ってください❤️ (2022年10月27日 18時) (レス) @page27 id: 76527d2194 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます！素敵な作品にだなんて言っていただけて本当に幸せです、ありがとうございます。ぜひまた読み返してみてください！またよろしくお願いいたします^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - かいとんさん» ありがとうございます！！いろいろな感情になっていただけたみたいで、とっても嬉しいです。これからものんびり頑張りますね！本当にありがとうございました^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - hasさん» はじめまして！いつもお読みいただきありがとうございます！今後もどうぞよろしくお願いいたします。またコメントお待ちしております^^ (2021年7月15日 16時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年5月15日 9時
