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「………久しぶり。」
「うん、来てくれて、ありがとう」
海人が先に口を開いて、私も返事をする
そっと単語帳を閉じたその指に、なぜか触れたくなってしまった
「……座んないの？」
「あ、座る、」
お互い、気まずさが少しだけ残っていたけど、
海人に促され、私は今日も、そこに座る
久しぶりに感じた、となりのあたたかい温度
私やっぱり、海人にすごく会いたかった。
「……今日、なんか話があったから、俺のこと呼んだんでしょ」
「うん、そう」
「なに？その話、しよ」
海人は、私と目を合わせない。
少しばかり冷たくも感じるその態度に負けじと、
手のひらをぎゅっと、握りしめた。
前に進もう、私たち。
「海人に、話しておきたいことがあって。」
「うん」
「………私たち、こんなに一緒にいるのに一番大切なことをお互いに言ってない、そんな気がするんだ」
「………」
「私はね、海人とこんな曖昧なすれ違い方、したくない。」
君は、どうかな。
「だから私の記憶、忘れられない人の話、」
「ちゃんと海人に、話しておきたい。」
海人の視線が、少しだけ揺れる
「海人となら、乗り越えられると思うから。」
「私たちの過去を、私たちふたりで、乗り越えていきたいの。」
少しの沈黙、生ぬるい風
君は一瞬、空を見上げた後、
「………そだね。話そっか、」
「お互いのこと。もっと」
そう言って少しだけ、口角を上げた
嬉しくて、私も微笑む
私たちきっと、前に進めるよね。
「私、生まれてから最初の引越しまでずっと住んでた街の子のこと、ずっと覚えてるの」
「友達とか、まだそういう概念もないくらい幼い時に会った子なんだけどね。」
「いつもひとりで遊んでた私と、よく一緒に遊んでくれて」
「名前も知らなかったけど、一緒に居て本当に居心地が良かった」
「好きだったのかなぁ。恋だったのかもよくわからないくらい幼かったけど、」
「私が引越しをするっていうのを知った時、その子が、」
「俺とまた会ってね、って。そう言ってくれて」
「その子の、一番大切にしてたものを私にくれたの」
そう言いながら、ポケットの中から出したあのお守り
「……これが、私のひまわりの思い出でもあるんだ。」
私の手のひらに乗せられた、その小さなひまわりのチャームを見て、
海人の目が
大きく、見開かれた。
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詩愛(プロフ) - かいとんさん» ありがとうございます！お読み頂けて光栄です！またよろしくお願いいたします^^ (2021年3月19日 15時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
かいとん - 完結おめでとうございます！凄く暖かくわくわくする物語でした。高橋担なので需要しかないお話でした……！これからも頑張ってください！ (2021年3月18日 23時) (レス) id: fb912074b2 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひまわりさん» お久しぶりです〜！お読み頂いてこちらこそありがとうございました！あまり出来に自信がないのですが、そう言って頂けて嬉しいですT_T 今後もどうぞよろしくお願いいたします！ありがとうございました！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 詩愛さんお久しぶりです！以前リクエストさせて頂いた歌を基に物語を書いてくださってありがとうございます！！とっても嬉しいです！また海人くんの物語楽しみにしています！ (2021年3月12日 1時) (レス) id: 1474a1813f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年3月2日 14時
