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そしてある日の放課後、
今度は海人から、会いたいと連絡があった。
少し難しい受験になる。そう言っていた海人が、心配で。
やっと見えてきたいつものベンチには、君が寂しそうに座っていた
「海人、ただいま。」
「あ、おかえり。ごめんね！今度は俺が急に呼んじゃった。」
「大丈夫だよ、私も海人に会いかった。」
ちょっとだけ嬉しそうにする君を可愛いと思いながら、その横に腰を下ろす
そっと見上げたとなりの君は、少しばかり、疲れて見えた
「海人も、疲れちゃった？」
「ん〜ちょっとだけね！勉強いくらやってもなかなか手応えなくてさ」
「そっか…結果ってなかなかすぐに目に見えないから嫌だよね」
「そーなんだよね。俺、ほんとに受かんのかなぁとか。思っちゃう」
弱気だなぁ、俺。なんて言いながらちょっとだけ笑う君は、明らかに元気がない。
私に、何ができるだろう。
つらい時、海人がくれた言葉を頭の中でじっくりと見直していく
そして、
「……ねえ海人、疲れた時は甘いもの、だよね、」
「……え、」
海人のくれた言葉を、そのまま口にした。
たしかあったはず、そう思ってスカートのポケットに手を突っ込めば、
いつもの、私たちが大好きな飴が一粒、
私の指に触れる。
「これ、食べて。甘いものがやっぱり、必要でしょ」
「……え、あ、うん。ありがと」
私のことをじっと見つめる海人に、その飴を差し出す
ゆっくりと手を伸ばす海人、その指先が、
ふと、飴ではなく、
私の手をぎゅっと、握りしめた。
「海人？どうし、」
「ねえ。Aは言ってくれないの？甘い言葉。」
海人の目は、少しだけいたずらっぽく光っていて、
胸の奥が、きゅんと高鳴る。
「………言ってみてよ。全然甘さ、足りてないんだけど。」
「………、」
言おうと思って口を開いてみても、なかなか言葉が出てこなくて。
緊張でぴきりと固まった私に、海人は小さく笑った
「……へたっぴ。」
こつんと小突かれたおでこから、全身に熱が広がる
思わず視線を伏せた私の頭の上から、海人の息遣いが聞こえた
「もう、海人ってば、」
「………ごめんA、」
「え？」
「………ちょっとだけ、許してね。」
何を、そう聞こうと思って顔を上げた瞬間、
君がそっと、私を抱きしめる
包まれる香りに、体温に、
幸せな気持ちが、広がっていった。
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詩愛(プロフ) - かいとんさん» ありがとうございます！お読み頂けて光栄です！またよろしくお願いいたします^^ (2021年3月19日 15時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
かいとん - 完結おめでとうございます！凄く暖かくわくわくする物語でした。高橋担なので需要しかないお話でした……！これからも頑張ってください！ (2021年3月18日 23時) (レス) id: fb912074b2 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひまわりさん» お久しぶりです〜！お読み頂いてこちらこそありがとうございました！あまり出来に自信がないのですが、そう言って頂けて嬉しいですT_T 今後もどうぞよろしくお願いいたします！ありがとうございました！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 詩愛さんお久しぶりです！以前リクエストさせて頂いた歌を基に物語を書いてくださってありがとうございます！！とっても嬉しいです！また海人くんの物語楽しみにしています！ (2021年3月12日 1時) (レス) id: 1474a1813f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年3月2日 14時
