君とひまわりと私 K.T (ページ43)

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そして季節は流れ、だんだんと寒さが厳しくなり、

海人と約束をした、クリスマスがやってきた。

日が沈んでからベンチで待ち合わせをした私たち

公園の中は本当に綺麗なイルミネーションで彩られていて、

君の顔を見る前から、幸せな気分になる

「A～！」

色とりどりに輝く桜の木々の中、

やっと見えてきたベンチに、いつものマフラーをした君の姿

白い息を吐きながら、大きく手を振ってくれている

「海人お待たせ、メリークリスマス！」

「メリークリスマス！ね、どう？イルミネーションめちゃくちゃ綺麗でしょ」

「うん、びっくりしちゃった」

笑いながらふたりでそっとベンチに腰を下ろし、

いつものあのあたたかい日差し、ではなく、きらめく木々の灯りを見上げた

「これ、この景色。どうしてもAと見たかったんだよね。」

「すごく綺麗だね、ありがとう海人」

「どういたしまして。喜んでもらえたなら、俺も幸せ。」

また目が合って、一緒に笑って。

私の今までの人生の中で、一番幸せな、クリスマス。

「……あ、なんか今、Aが考えたことわかったかも。」

「ふふ、わかっちゃった？」

「なんとなくね！多分、俺とおんなじ。」

海人の目の中にも、ちらちらと輝くイルミネーション

綺麗だ、今この瞬間が、なによりも。

「………ねえA、クリスマス気分。もっと高めちゃおっか」

海人は突然、そう言って私の顔をのぞきこむと、

ポケットからケータイとイヤホンを取り出した。

「俺が好きなクリスマスの歌集めて、プレイリストにしたんだ」

「海人の好きな曲？」

「そう。雰囲気ありまくりの、激選プレイリスト。」

君のそんな表現にちょっと笑いながら、差し出されたイヤホンの片方を耳につける

海人も反対側のイヤホンをつけて、いくよ？と私と目を合わせた

そして、すぐに流れ出すクリスマスソング。

まだイントロだけだけど、私はすぐに曲名がわかってしまって。

「海人、また、」

「ん？」

「私もこの歌、すっごい好き、」

私たちは、どこまでも似ている。

驚いて、だけどふわりと笑った海人が、

そっと私に、肩を寄せてきた

「ねえやっぱさ、」

「これって、運命、だよね。」

海人のくすぐったいささやき。

嬉しくて、幸せで。

こんな幸せでいいのかな、なんて思って。

「……一緒に居ようね。俺と。」

甘く微笑む君に、

私はゆっくり、頷いた。